前掛川市長 榛村純一氏の講演会

 25日(金)は、午前中に議会全員協議会があり、本年4月から始まる「後期高齢者医療制度」(75歳以上の高齢者が対象)の説明があった。
 健康づくりを進め、国全体の医療費の増加を少しでも少なくする一方、確実に増える高齢者の皆さんにも医療費を負担していただこうとする制度だ。と思う。
 しかし、制度そのものは複雑でなかなか理解できない。高齢者の皆さんにわかりやすく伝え、現場で混乱することがないようにしなくてはならない。と言っても4月はすぐそこだ。

 そして午後は、議会主催の議員研修会があった。
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 講師は、前掛川市長の榛村純一氏だ。榛村氏は、昭和52年から平成17まで、7期28年間、掛川市の市長を務めた。その間「生涯学習都市」を始め、さまざまな先進的な施策で、当時人口7万人の地方の小都市ながら、掛川市の名を全国にとどろかせた名市長だ。
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 今回の講演のテーマは「まちづくり・人づくり」だ。
 
 最初に、全国ベースの数字(全国をいくつかのエリアに分けたり、県別にした工業出荷額など)分析や、日本の明治以来の近代化、都市化の流れを自分なりに分析して話を始めた。これは、ちょっと普通の首長にはできないものだ。

 講演を聞いて、榛村氏の考え方の基本は「地方都市がどうやって自立していくか。そのためには地域をみがき、人を育てよう」に全てが集約されていると感じた。
 ・「向都離村」(都に出て行く人)の教育でなく、故郷に残る人・来る人の教育(=「生涯学習」)を行うべき

 ・5つの生涯学習の考え方
  ・教育改革としての生涯学習
  ・五感を磨く生涯学習
  ・新しい流れを知る生涯学習
  ・高齢化だからこそする生涯学習
  ・まちづくりとしての生涯学習

 ・「観光」は「国の光を観ること」が本来の姿である。孔子の言葉の中に「近者説、遠者来」(「説」は「喜ぶ」の意味:地元の人が喜べば、それを聞きつけて遠いところの人たちも集まってくる)があるが、まずは市民が楽しみ、誇りに思うような魅力づくりが必要だ

 ・「緑化は絶対善」だ。・・・さすが県森林組合連合会会長だ

 ・掛川で生まれた二宮尊徳の教え(報徳の思想)・・・「経済のない道徳は寝言だ。道徳のない経済は犯罪だ」

 この他にも、新幹線掛川駅をつくる時には、104回も国鉄に陳情し、最後は時の権力者・目白のさる方のところにも足を運んだ。新富士駅も同じ時期にできたが、随分進め方が違っていたなど、初めて聞く話も、多数あった。
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 70歳をはるかに超えているが、まだまだお元気だ。
 時間が足りず、最近提唱しているという「村格・都市格」のお話が中途半端で終わってしまった。
 改めて聞いてみたいと思う。
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議会委員会室からのこの日(1月25日)の富士山

# by koike473 | 2008-01-28 00:07 | 富士市議会 | Trackback | Comments(0)  

産業廃棄物(?)の不法投棄

 びっくりする風景を見た。
 農業用温室の入り口に畳75枚が捨てられていた。
 それも、富士警察署のすぐ南側だ。
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 23日の晩、視察から自宅に戻ったら、吉原のある農家のお宅から留守中に電話が入っていた。
 電話をすると、「日曜日の晩あたりに、うちのハウスの入り口に畳を捨てられた」とのこと。
 次の日の朝、現場に行くと、写真のような状況だ。
 警察の南側だが、1本裏側の道路から入ったところで、夜間はほとんど車も通らないところだ。
 この枚数だと、個人の家庭ではなく、おそらく産業廃棄物として出されたものを、処理業者(?)が不法投棄したものと思われる。

 すぐに市の廃棄物対策課に連絡し、現場を確認してもらったが、問題はいろいろあり、根深い。
 ①犯人をどうにか捕まえなくては!
   →畳からは、所有者や処理業者に結びつくようなものは見つからない
 ②誰が処理するのか?
   →犯人が捕まらなければ、現在の法律では、捨てられた場所(土地)の所有者が処理しなければならない
 ③行政の管轄も複雑
   →個人が捨てれば一般廃棄物(市が担当)だが、個人等の住宅等の建設廃材として業者に処理依頼したものであれば産業廃棄物(県が担当)だ。しかし、この場合判断基準が難しい
 ④不法投棄防止対策は?
   →現状ではパトロールの強化しかない

 こんな理不尽なことが富士市内でも年間大小何百件も発生している。
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 一方、何年か前から産業廃棄物は「マニュフェスト」と呼ばれる管理票によって、処理業者からその先の下請け業者、運搬業者など、どんな業者を経由して処理されたかの経過が記録されるようになったはずだ。
 しかし、この「マニュフェスト」は、具体的にはどんなしくみになっているのかも今の私にはよくわからない。
 私もしっかり勉強しなければならないが、それにしても腹が立つ。

 不法投棄は、富士山麓だけでない。人目につかなければ、どこにでも捨てる悪い奴がいる。
 何の関係がない他人に、そして環境にも迷惑をかけ、自分だけがぬくぬくと汚い利益を得ている。ふざけるな!だ。

 どうにかしなければならない。

# by koike473 | 2008-01-26 00:00 | 環境 | Trackback | Comments(2)  

会派視察1日目 「宇部方式」と呼ばれる独自の公害対策

 今日は、市民クラブの視察第1日目の報告。
 山口県宇部市を訪問したが、ここでは以下の3項目についてヒアリングした。
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宇部市役所 昭和33年建築、築50年の建物だ

  (1)「宇部方式」と呼ばれる産・官・学・民の協働による独自の公害対策について
  (2)産業観光(CSR)ツーリズムについて
  (3)環境保全センター焼却施設(流動床式ガス化溶融方式)について
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 中でも、(1)の「宇部方式」と呼ばれる公害対策について報告したい。
 宇部市は、古くから石炭の街として栄え、その後は化学・セメント工業に支えられた臨海工業都市として発展してきた。
 しかし、戦後、これらの工場の煙突から出る「ばいじん」は、多量であり、窓も開けられない状態だったそうだ。
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 そうした中で、昭和24年には市議会内に「宇部市降ばい対策委員会」が設置され、実態調査や、産・官・学・民による検討と対策が始まった。
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 当時、降下ばいじん量は、55.86t/km2/月を記録し、「世界一灰の降る街」と報じられた。
 またここで言う「学」とは、市内にある山口大学医学部だ。特にここの公衆衛生学の先生が、市民の健康対策の重要性を訴え、この宇部方式の取り組みをリードされたそうだ。
 そして10年後には、降下ばいじん量は1/3に減った。こうした中で、昭和32年に設定した宇部市のばいじん濃度(1.2g/㎡)は、昭和37年に制定された国の「ばい煙排出規制法」の基準値に採用されるなど、先駆的な取り組みを進めてきた。
 更に驚くことに、このような取り組みの結果、現在まで宇部市では、公害病認定患者が一人も出ていない。

 ひるがえって、富士市のことを考えてみると、公害問題が顕著になり始めたのは昭和40年代に入ってからだ。
 そして市に担当係(経済部開発課公害係)ができたのも41年11月、議会に公害対策特別委員会が設置されたのが42年5月だ。
 問題の発生時期が15年ほど違うが、宇部市における取り組みの速さに驚くばかりだ。
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 またこうした先駆的な取り組みが評価され、平成9年には、国連環境計画から「グローバル500賞」を受賞している。
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現在の宇部市の煙突 富士市と似たような景色だ


 ヒアリングした中では、行政と企業の間におけるきめ細かな取り組みが印象に残った。
  ・「環境保全細目協定」の締結・・・工場の一つ一つの煙突、排水口ごとに排出量の協定を結ぶ
  ・「事前協議制度」の確立・・・工場の新増設にあたっては、法律の手続きの前に、市に協議し、現在の環境負荷以上に負荷を排出しないような対策を講じるよう協議・指導する
 これらについては、資料を送っていただくようお願いしてきた。富士市にとっても、参考になる点がまだたくさんあるはずだ。

# by koike473 | 2008-01-24 23:18 | 環境 | Trackback | Comments(0)  

着地から考えるニューツーリズムセミナーin三島

 21日(月)から今日(23日)まで、所属する議会会派(市民クラブ)の視察で宇部市(山口県)、小野市(兵庫県)、四日市市(三重県)を訪ねた。
 この視察については、後日改めて報告します。

 今日は、18日(金)に参加した「着地から考えるニューツーリズムセミナーin三島」の分科会とパネルディスカッションの報告。
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会場の三島商工会議所


 私が参加した分科会のテーマは、「広域連携で取り組む着地型旅行」だった。全国各地から24名の方が集まった。
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 コーディネーターは、以前、仕事でアドバイスをお願いしたことがある観光プランナーの前田豪氏だ。
 24名全員が、それぞれの地域の自己紹介をした。
 どこも有名な観光地の皆さんで、私は「産業都市であり、これまで観光面ではほとんどゼロだった富士市です」と紹介した。
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 しかし前田氏からは「これからの観光は、その街の生活のたたずまいや、その街が好きだという市民のオーラや誇りが大きな要素になるのであり、その要素がない街は絶対ないはずだ」と応援のメッセージ(?)をいただいた。
 それにしても、24名全員が自己紹介をしているだけで、ほぼ予定の時間が終わってしまい、テーマの「広域連携」は、パネルディスカッションに持ち越された。

 パネルディスカッションでは、なかなか興味深い話がなされた。大きく2つだ。
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 1つは、「まちづくりと観光」の話。
 事例紹介で、地元・三島市と、千葉県富浦町(現・南房総市)の話がおもしろかった。
 三島市は、当初、観光客の来訪までを目標にはしなかった。住み良いまちづくりをしようと、400回以上の市民ワークショップに基づき、市民参加のまちづくりに取り組んできた。そうしたら結果としてお客さんが訪れ、それがまた励みになっている。
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 一方、富浦町は、「いっしょに儲けましょう。ともにウイン・ウイン!」でなければ、住民も行政も疲れてしまい、長続きしない。最初から新しいビジネスモデルを造り取り組む必要がある。と、聞いていると正反対のような話だった。
 しかし会場からは、「三島市は、まちづくりとしてはこれまで大成功だった。だが、一流の観光地を目指すなら更に次のステップを上がる必要があるのではないか」との感想が出された。
 具体的には観光地としての「もてなし」、「トータルな景観づくり」、そして「いかに観光客に金を落としてもらい、市内で経済的に回るようにするか」という所だろうか?
 落ちは前田氏がうまいことを言った。「『儲ける』という字は、「『信じる者』と書きます。何かを信じてやり続ける人、そして信じる仲間がいて初めて儲けられるのです。その意味では、三島は信念を持った市民や、信じられる市民や仲間がたくさんいますね」
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 2つめは「広域連携による観光地づくり」の話。
 なぜ、広域で連携しなければならないのか?
 観る、食べる、泊まる、体験する、買うなどの観光サービスを、1箇所で全て提供することができないなら、それぞれの市町が得意の分野を担当し合いながら、広域で質の高い「観光エリア」を造り出そうというものだ。
 しかし、この広域連携を進める上では、テーマ性(物語性)を持ったストーリーの存在と、その観光サービスを高いレベルで維持・調整・指導できる「観光コーディネート機関」が必要だ。という議論だ。
 著名な観光地でさえ、既にこのような広域連携に取り組んでいる。
 後発の富士市は、どのように広域連携に取り組むべきだろうか?
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 パネルディスカッションは、時間の関係で最後まで聞けなかった。
 しかし、富士市や富士地域が今後連携していかなくてはならない「富士五湖観光連盟」の専務さんにお会いできた。このことが、今回の最大の収穫だったかもしれない。

# by koike473 | 2008-01-23 23:23 | 観光・シティプロモーション | Trackback | Comments(0)  

三島の「まち歩き」

 18日(金)は、(社)日本観光協会が主催する「着地から考えるニューツーリズムセミナーin三島」に参加した。
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 富士市でも4月から、「富士山観光交流ビューロー」が設立・稼動し、新たな観光交流への取り組みが始まる。そんな中で、全国各地の先進的な取り組みを勉強したり、関係者とのパイプづくりができればと申し込みした次第だ。
 今日は、午前中に行われた「三島のまち歩き」の報告から。

 そもそもこのセミナーは、(社)日本観光協会が毎年授与している「優秀観光地づくり賞」の表彰式を兼ねている。
 昨年の第14回大会で、三島市が「金賞・総務大臣賞」を受賞したことから、その翌年度ということでの三島開催になったらしい。

 三島の受賞理由は、「歩きたい街、住みたい街」を目標に、市民・企業・行政の協働のもとで「街中がせせらぎ事業」を進め、魅力あるまちづくり、観光地づくりが進められているからだ。
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 私は、3年振り位の三島のまち歩きだった。
 楽寿園→源兵衛川→佐野美術館→三島大社→桜川を廻るルートだが、改めて感激した。
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以前は途中迂回しなければならなかった源兵衛川中流部に、飛び石が整備されていた。
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今日も、源兵衛川にはごみはほとんど流れておらず、これでは誰もおそらくポイ捨てはできないだろうと思うほどだ。
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川に向けて飲食店がテラスを出したり、病院の建物がロビーを開放し、ハード施設が「川」を軸に整備され始めている。
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説明していただいたボランティアガイドさんやグラウンドワークの方、「三島梅花藻」の手入れをしているボランティアの方

そして何よりも、こうした「まちづくり」に関わっている市民の皆さんが、誇らしげに
 「午前中でしたら、いつでもTMO事務所にガイドメンバーがいますのでお寄り下さい。ご案内します」、
 「この湧水は、このままでも飲めますよ」、
 「カワセミがいますよ」と胸を張って説明してくれることがすばらしく、またうらやましかった。

 私が所属するNPOふじ環境倶楽部は、ある意味の大きな目標が「NPOグラウンドワーク三島」であり、湧水を活かした三島のまちづくりだ。
 同じ富士山の湧水が湧く富士市でもできるはずだ。清流・田宿川もある。と思い取り組んでいるが、まだまだだ。

 それと、三島はまち歩きにもぴったりの「コンパクトシティー」だ。
 もちろん箱根西麓には大規模な住宅団地が拡がるが、基本的な商業、業務、役所などの都市機能は、駅南地域に集約され、それらの間を縫ってせせらぎや小さな路地が入り組み、まちかどを曲がるたびにいろいろな「街の顔」を見せてくれる。
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 20年近く前、三島市の仕事をした時、役所の人が「三島は区画整理をやりたくても、伊豆箱根鉄道が街の中をぐるっと通っていてできないだよ。どんどん取り残されていくよ」と言っていた。
 でも、今考えてみれば、それが結果的に良かったわけだ。

 拡散が続く富士市を何とかするには、どうしたらいいのだろうか?

# by koike473 | 2008-01-20 11:15 | 観光・シティプロモーション | Trackback | Comments(0)