瑞林寺(岩松)には、すごい宝物があります!
2009年 04月 08日
岩松在住の笠井議員が提案する形で岩松地区の観光交流資源等を見学した。

特別ゲストと言うか、案内人として同じく岩松在住の影山議員にも参加いただき、特に歴史の面から詳しい話を伺った。
今回は、その中でも特に印象深かった瑞林寺の話。
以前、このブログで伯母の葬儀が瑞林寺であったことを書いた。
この日は、笠井議員の計らいで住職に説明をお願いしていただいた。
まずは毘沙門堂。


このお堂には、12支の動物の彫り物が施されている。


見ているだけで結構楽しめる。
また、このお堂の屋根の葺き方を「こけら葺き」と言うそうだ。
「こけら」は「杮」と書く。「柿」(カキ)の字と似ているが、つくりの部分が市(イチ)、つまりなべぶたではなく、真ん中の縦線が上から下まで1本で貫いている字だ。

その「こけら」とは杉板を厚さ3mm程度に薄くはいだものだ。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、「幅9~10センチメートル、長さ24~30センチメートルの板(こけら)をずらしながら下から平行に重ねて並べ、竹釘で止める。木材を横に渡し、石で固定するだけの場合もある。板の間に少しの隙間が生じ、これが軒裏の通気を促して木材の耐久性を向上させる」とある。
また、同じ「こけら」を用いる「こけら落とし」も、「杮落しとは、新しく建てられた劇場で初めて行われる催しのことである。演目はそれぞれの劇場の特性に合わせた内容で、概ね慶事の内容であることが多い。『杮(こけら)』とは木片のことであり、建設工事の最後に木片を払うことが語源になっている」とある。

資料室には、前回の修理の際に降ろされた杮葺きの屋根が残されている。

今でも、金属の釘でなく、「竹釘」を使っているそうだ。
続いては、国の重要文化財に指定されている「地蔵菩薩像」。

さまざまな研究の結果、作者は「慶派」と呼ばれる仏師系譜の基礎を築いた康慶(こうけい)であることがこの30年位でわかったそうだ。
この康慶の息子が社会の教科書に出てくる「運慶」、弟子が「快慶」だそうだ。
今でこそ、専用の蔵に安置されているが、昔はそのあたりに置いてあり、住職が子供の頃は菩薩像のひざの上に乗ったり、そこでお菓子を食べるなど、その価値は全くわからなかったそうだ。

資料室には、解体修復した際に取り替えた古い「手首」の部分が残されている。
900年近く前の木像だ。

この菩薩像は、その前に座って見ると、ちょうど目線が菩薩様と合うそうだ。
郷土の歴史をしっかり学んだ充実した研修だった。
▲ by koike473 | 2009-04-08 23:01 | 富士市内各地の風景 | Trackback | Comments(0)