吉原で再開発を行う意義は?
2008年 07月 24日

「まちを活かす。いま何故、再開発か? ~これからの吉原のまちのあり方と再開発~」のテーマで、㈱川口建築都市設計事務所 専務取締役の川口良子さんに講演いただいた。

川口さんは、私の前職の上司であり、この再開発研究会の全体をまとめるファシリテーターをお願いしている。

研究会は、基本的に今後2年間をかけて議論をしていく予定だ。私は、研究会の部会長であり、研究会は、最終的には再開発の具体的な構想案をまとめることを目標にしている。
しかし前段では、再開発を考えるにあたり、なぜ再開発が必要なのか?それが吉原にとって、そして富士市にとってどういう意義を持つのかを、しっかりと確認、と言うより、今後検討を続ける中で常に意識すべきだと感じていた。

特に、前日、かなりショッキングな言葉を聞いた。
市内で吉原以外に住む40歳位の方と話をしていた。(私)「明日は、吉原の再開発研究会があるんです」、(男性)「私は、そういうことには税金を使わないで欲しいと思います。吉原は、私たちの生活には何も関係ありません。そのお金は福祉などに使うべきです」
直接、こんな話を聞いたのは初めてだが、議員になってからのこの1年、それに類する話は間接的に何度か聞いていた。
そんなこともあり、「吉原地区での再開発の意義」について、じっくり話し、参加者の皆さんに考えてもらうような講演をお願いしていた。
川口さんの講演の前段の主要部分を、自分なりに以下のようにまとめてみた。
・「中心市街地って必要なの?」、「それはどこ?」、「そんなところに投資する必要があるの?」という意見がかなりある

・人口増加を前提に「開発・拡大」路線が当たり前だった都市づくりが、人口減少社会を迎え、「更新・保全」を基本とした「コンパクトシティ」に変わらざるを得なくなっている
・コンパクトシティの中心は、これまでの都市としてのストック(道路・上下水道等のハードな基盤、歴史・文化、そうした中での密接なコミュニティなど)がある、いわゆる中心市街地を活用することが順当だ



・再開発は、老朽化した建物を更新しなければならないと考えれば、こうした視点からまちの中心を創り上げていくための「きっかけ」と捉えるべきではないか
・こうした検討の中で、吉原の存在価値を高め、皆さんが周辺(「投資する必要があるの?」と言う人達など)に主張し、伝えていくことが重要ではないか

この日は、かなり言葉を選びながらの講演で、いつもの「ニコニコ笑顔のストレートパンチ!」は影を潜めていた(と私には感じた)。
「吉原だからこその、密度が高い諸活動」を、これからの2年間、研究会のメンバーみんなで考えていかなければと思う。
by koike473 | 2008-07-24 22:57 | まちづくり・都市計画 | Trackback | Comments(0)