富士山観光交流ビューローでの宮本倫明氏講演会とワークショップ
2008年 07月 10日
ビューロー菊池専務のあいさつ
ビューローとしては、外向けの初めての活動だ。
講演は「地域ブランドづくり事始 -心を動かす地域づくりー」のテーマで、演者は、地域ブランディングプロデューサーの宮本倫明氏だ。
最初、テーマと宮本氏の肩書きを聞いたとき、「ブランド」という言葉に違和感を感じたが、講演とその後のワークショップを終えて、充分な満足感を味わった。
講演は、宮本氏がプロデュースした「えひめ町並博2004」の取り組みが中心だった。
「パビリオンのない『まちづくり型観光博覧会』」をコンセプトとしているが、「まちづくり型」としているところがキーだ。
さまざまな立場の住民が集まり開催する座談会(井戸端会議)を繰り返す中で、「観光」、「生業」、「まちづくり」をクロスさせた新たな取り組みアイデアを発案する住民グループができ、そのグループごとに新しい観光商品を創り出していった。その数は、計83のグループに上がったそうだ。
例えば、人力車や昔の着物を使った「蘇れ!明治の婚礼企画」、「竜馬脱藩の道踏破ツアー」などなど。
それを博覧会の1年間は行政が資金面でバックアップし、継続可能な事業として具体化していった。
博覧会終了後も、66(8割)のグループが事業を継続し、更に現在はその数が115団体に増えている。
単なる客寄せの博覧会だけでなく、その後の住民主導のまちづくりも視野に入れた、と言うより、それ自体を目的とした取り組みだ。
講演を聞いていて、昨年「富士山観光交流ビューロー設立準備会」で議論してきた「チャレンジミーティング」そのものだった。
そしてワークショップ。参加者が12のグループに分かれ、「ワールド・カフェ」という名前のワークショップ方式で、「自分と観光ビューロー」を大きなテーマに議論を行った。
いつも行っているワークショップとは違い、
・Q1 自分はビューローと○○をしたい
・Q2 自分はビューローに、こんなサポートや貢献ができる
・Q3 ビューローに何を期待する?
・Q4 今日集まった人々とビューローはどんな関係を築けばいいか
のそれぞれの質問について、Q1について10分間議論したら、全く自由に別のテーブルに移動し、新たなグループを構成し、そこでQ2についてまた10分間議論する。
座席の移動
議論しながら、テーブルに敷かれた模造紙に、思いつくままキーワードや絵を書き込んでいく。
これを繰り返し、4つの質問について議論する。
この手法は、
・メンバーが入れ替わることにより、より多様な考えに触発され、自分の発想が豊かになる
・移動した席の前に書かれている言葉や絵(前にこの席に座った人が書いたもの)を見て、更に自分も新たな発想が沸く
などの効果を狙ったもののようだ。
この検討の総括として、12のグループの内、2つのグループのホスト(進行役)からまとめの発表がされた。
いずれも「このような顔が見えるディスカッションを、今回で終わらせることなく継続してほしい」との意見だった。
この日の取り組みも、まさしく「チャレンジミーティング」だった。
ただ、心配な点が1つある。
宮本氏のようなプロデューサーと、各グループのホスト(進行役)の役割がとても重要だ。
この人材をどのように確保、育成していくかが大きな課題だ。
by koike473 | 2008-07-10 23:16 | 観光・シティプロモーション | Trackback | Comments(2)
お世話になります。富士宮市議の深澤竜介です。
私もこのイベントに行きたかったのですが、時間が取れませんでした。とてもいい内容でしたね。
そして小池さんが書かれているように、やはり、コーディネーター・ファシリテーターの存在が重要ですね。一方でそういう人材がいて、一方でいい素材と行動する人間が数人いれば、どんどんとまちづくりは進むと思います。
今後もお互い情報交換しながらがんばっていきましょう。
昨日、今日と、町内の夏祭り(天王祭)で、ブログのチェックもままなりませんでした。
深澤さんの方こそ、毎日お疲れ様です。
「富士山観光交流ビューロー」は、その名前が示すように、「環富士山」がコンセプトです。
富士市だけでは観光交流は成立しません。
先日、富士宮市議会の皆様で富士山静岡空港を視察されたとのことですが、いろいろな方の話から、やはり「富士山」の大きさを思い知らせれるこのごろです。
民間はもちろんのこと、行政も、そして議会も環富士山での情報交換や連携が必要ですね。
これからもよろしくお願いいたします。