「NPO法人コミュニティシンクタンクふじ」の5周年総会
2008年 05月 19日
通常総会の後、19年度に、国(総務省)から6,000万円以上の金額で受託し、実施した「地域全体でつくる児童見守りシステムモデル事業」の報告が行われた。
この事業は、IC機器と情報通信システム等を活用し、子どもたちの安全確保と見守りを行う実験事業だ。
・通学時等に、誘拐やいたずらなどの犯罪等からの安全を確保するため、児童にICタグとGPS携帯電話を持たせ、現在位置を管理センターで常に把握できるようにする
・緊急時には、管理センターから地域のサポート隊に応援を求め、児童の安全を確保する
ことを実証実験しようとするものだ。
実験の成果として、
・技術的には、十分対応可能であることが確認できた
・地域のさまざまな「子どもたちを見守る」立場や役割を果たしている団体・組織が一同に介することができた
・特に国(総務省)では、NPO法人が中心となり、さまざまな組織が関係するこの実験事業を完遂したことを高く評価している(全16ヶ所の実施箇所のうち、大半は自治体が事業主体となり実施)
などがあげられる。
また今後の課題としては、
・IC機器や情報システムなどに関し、受益者負担に適したコストでの取り組みが可能か
・ソフト面の見守り体制を、市内全域にどう作っていくか
などだ。
私は、この事業には直接関わらなかったが、コミュニティシンクタンクふじとしては、
・初めて富士市以外の団体(国)から受託事業(=仕事)を受注したこと
・それも、これまでにない大きな金額の受託事業を完遂できたこと
・市内の様々な地域、団体と連携した中で取り組み、今後のネットワークのきっかけづくりができたこと
は、大きな自信になり、財産になることだと思う。
だが一方で、コミュニティシンクタンクふじは、NPO法人として丸5年が経過したが、大きな壁にぶつかっていることも事実だ。
振り返ってみて、
・組織を維持運営するために、無理に委託調査を受託してきた面はないか?
・委託調査中心であったがゆえに、自由で、独自な市民の視点からの意見交換や提案ができにくかった面はないか?
・担当メンバーが「忙しい」、「ボランティアだから」と言って、基本的なルール(工程管理、納期等)をいいかげんにしてきた面はなかったか?
・NPOの会員になっていただいた方や、多くの市民の皆さんに、的確に情報提供できたか?意見を聞き、集約できたか?
「5年間の成果と実績は、一定以上のものがある」と関係者として胸を張りたい。
しかし、このような課題を思い、ではこれからどうしていくべきだろうか、と考え込んだ5回目の総会だった。
by koike473 | 2008-05-19 23:34 | NPO・市民活動 | Trackback | Comments(0)