「自転車生活の愉しみ」に向けて!

 昨日書いた自分の自転車転倒事故と前後して、ある知人から「自転車生活の愉しみ」という文庫本を借りた。
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 著者は、疋田 智氏といい、TBSテレビのチーフディレクターで、毎日都内での通勤に自転車を利用する「自転車ツーキニスト」だ。
 知人は「目からウロコだよ」と言って貸してくれたが、連休中に読んで、今は、転んでできたカサブタとウロコが一緒に落ちる気分だ。

 ツーキニスト疋田は以下のように言っている。
 1 目指す社会は「脱クルマ依存社会」だ
  ・クルマはとっても便利だし、クルマじゃないとできないこともたくさんある。高齢化社会はますますクルマを必要とするだろう。
  ・しかしクルマは、自転車に対して、より「正義のない」移動手段だ。化石燃料をエネルギーとして使い、二酸化炭素を吐き出し、環境に多大な負荷をかけている。
  ・代用できるところは自転車で代用する。そして社会がその代用をサポートする側になるべきだ。今の社会はどう見たって、必要のないクルマが走りすぎている。
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JR吉原駅北口駐輪場
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市役所駐輪場


 そのためには、以下の3つがポイントだと言っている(と私は解釈した)。
 2 交通システムの中で自転車を立場、位置づけをしっかり示すこと
  ・本来、自転車は軽車両で、車道を走る交通手段だ。しかし高度成長時に、「歩道も通行可」としたことに自転車の位置づけが宙ぶらりんになった。
  ・結果、自転車は歩道も車道も走れるという自由な交通手段になったが、それは自転車に乗る人の「甘え」と「無責任」を生むことになった。
  ・「どうせ自転車だから大丈夫よ」という思いを持ち、「こうあるべき」という自転車の姿が失われた
  ・「都市内交通の主役は自転車である」という位置づけをしっかり行い、自転車乗りの「権利と義務と責任」を明確にした上でなければマナーも確立しない

 3 自転車レーンは「必ず車道をつぶして造らなければならない」
  ・自転車が環境に貢献するのは、別に自転車自体が環境に良いわけでなく、今までクルマに乗っていた人が、クルマを降りて自転車に乗るからなのだ。ヨーロッパの各都市が「自転車を優遇する」のと同時に「クルマを制限する」という方向に政策を転換しているのは、そういう意味でまさに整合性がある。
  ・日本の自転車レーンは、ほとんどが歩道を半分に区切ってその車道側を自転車レーンとしている。これはまったくの本末転倒だ。「自転車も使いましょうね。でもクルマの邪魔はしないでね」というのではまったくダメなのだ。
  ・歩道を2つに分断すると、元々のスペースが半分になるわけだから、どうしたって歩行者は自転車レーンにはみ出す。そこに「自転車レーンだから」と。それ以前よりもスピードを出した自転車が通る。結果、自転車と歩行者の事故が間違いなく増える。排気ガスは減らない。事故は増える。これでは何のためのレーンかさっぱりわからない。
  ・「自転車レーンは必ず車道をつぶして造る」、これは鉄則。むろんのこと一時的にクルマの渋滞は増えるし、荷物の運搬などの経済行為に支障が出るであろう。それはもう仕方がないことなのだ。渋滞がイヤならば自転車に。自転車で運べる荷物はもちろん自転車で。

 4 自転車乗りルールとマナー教育の徹底
  ・日本の街が往々にして自転車で走りにくい原因の一つは、乗る人のマナーにもある。いちいち取り上げる必要も無いほど自転車マナーはでたらめだ。
  ・自転車側も変わらなくてはならない。歩道驀進のママチャリ、右側通行、不遜なベル、二人乗り、無灯火、放置自転車、こうした乗る側のルールを徹底させ、一人ひとりが自転車で走る意味を考えていかなくては、インフラだって整える意味が無い。
  ・街は人を変えない。人が街を変えるのだ。
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自転車とひまわりバス(市役所)


 いきなりは難しいが、自転車に乗るのが安全で、普通な、「自転車生活を愉しめるまち」を目指したい。
 そのための第一歩、第二歩くらいを考え、行動していきたいと思う。

 まず何をしたらいいか?「こんなことしたらどうか?」と思う方、是非コメントください。

 なお、ツーキニスト疋田は、こんなことも言っています。(電動サポート自転車について)

「コレもまた最近、急成長の分野。エコなイメージもあるし、技術の進歩で、最近は格段に安く軽くなった。ただし、私はよほどの運動不足の人か、お年寄り以外にはあまりオススメしない。
・・・・・・そもそも自転車が健康によいとされるのは、マイルドな運動であり、あまり疲れないのに、ジョギング以上のカロリー消費が期待できるところであって、この自転車にはそれが望めない。せいぜい「ウォーキング」というところである。そういう意味で、この自転車がターゲットとするべきは、間違いなくお年寄りだと思う。私はお年寄りにこそ、この自転車を勧める。」
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私の同級生「山田サイクル」店主の山田君。「PAS」を面倒見てもらってます。


 でも、富士山の裾野の坂を登るにはちょうどいいし、街なかでもゆっくり運転できて、私にはぴったりです。

by koike473 | 2008-05-14 22:26 | 公共交通・自転車 | Trackback | Comments(2)  

Commented at 2008-05-15 07:47 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by koike473 at 2008-05-15 08:43
白落天さま

失礼しました。こっちはすっかり吉原店で、松岡が富士店だと思い込んでいました。修正し、お詫び申し上げます。
また、富士店東側の写真は、昨年10月に市内の歩道の段差箇所をみて回ったときに撮ったものです。(でも、花壇からチェックされるとは思いもよりませんでした。気をつけないと!)

自転車通勤奨励制度!賛成!!
自転車に乗る人が増えて、その人たちが声を上げるのが、遠回りだけど、一番確実のような気がします。

市役所はどうなっているのかな?結構自転車で通勤している人も多いようですが。
○チョーさんは、自動車やカー用品も売ってるけど、自転車も売ってますよね。
でも、そんなの関係なく、通えるのだったら、自転車で!ですよね。

「自転車通勤奨励制度」、調べてみます!

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