会派視察2日目 小野市(兵庫県)の方針管理制度

 会派の視察の2日目(22日)は、兵庫県小野市を訪問した。小野市は、兵庫県の内陸部にある人口5万人の小さな都市だ。
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 しかし、「方針管理制度」と呼ばれる行政運営手法により、この10年ほどで大きな成果を出している。
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正面前の2人が市の担当職員、後ろは、視察を傍聴した小野市の市議会議員(5名)の方々


 この運営に改めたのは、平成11年に当選した現在の市長(市長になる前は、地元企業の役員)であり、市長は、「官と民の違い」から見た行政のいびつさを、以下のように表したそうだ。
  ・「成果と報酬」が連動しない世界
  ・画一的横並びの仲良しクラブ
  ・CS志向(顧客満足度志向)の欠如
  ・前例踏襲型の施策追行

 その中での方針管理制度の経営戦略の基本は、次の4つである。
  ・顧客満足度志向・・・市役所は市内最大のサービス産業、市民=顧客
  ・成果主義・・・何をやるかではなく、何をもたらしたのかに重点を置く
  ・オンリーワン・・・ここにしかないという小野らしさの追求
  ・後手管理から先手管理・・・言われてからでなく、言われる前にやる

 その上で、「住民志向、成果重視の行政運営を行うため、閣部署の上位方針を受け、達成目標・実施項目・期限を定め、PDCAのマネジメントサイクルを回し、成果とプロセスを評価する」としている。
 そのためには、年に2回、それぞれの職員が、自分の仕事について「方針・達成目標を『~を・・・する』」という形で表現し、それが達成できた場合には、「インセンティブ給」として3~5万円を報酬として支給している。
 またインセンティブ給を受給しないと(成果を上げないと)昇格の対象にならないとしている。

 まるでビシビシ社員を競争させる民間企業だ。
 しかしこの結果、
  ・市役所は「コンビに」を目標に、市民課の土曜開庁、出先機関は休日無しに
  ・人口100人当たりの職員数は0.635人で県下最小に
  ・育児支援として小学3年生までの完全医療費無料化
  ・小野市図書館は、貸出し冊数7年連続日本一
  ・日経新聞による人口規模別行政改革度総合ランキング全国1位
 などなど、目に見える成果がバンバン出ている。
 特に、単に行政改革にイメージされる「無駄を省く」だけでなく、小野らしさを前面に出した施策も数多く進み、市外からも多くの方が注目しているようだ。
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 富士市を始め、多くの市町村で「行政評価」に取り組んでいるが、それとの違いについては、おもしろいことを言っていた。
 「方針管理制度は、全ての仕事についてでなく、職員が目標にしたことに集中的に取組み成果を出します。行政評価は、全ての事業を同じような精度で手間をかけて評価しますが、評価した後、どうするのかが見えてこない」、「論ずるより行動、やり続けることが大切だと考えている」
 担当の部長さんは、「5万人の小野市だからできることかもしれない。人口が多い=職員数が多い市では難しいかもしれない」と言っていた。

 しかし、ポイントは、職員一人ひとりが明確な目標を持って仕事に取り組むことではないだろうか?
 そうした意味では富士市役所はどうだろうか?
 「一人ひとりの目標と、それを達成するためには何をしなければならないか書き出してみろ」と言ったら、何人が明確に書けるだろうか?
 まずは、各課内でこの確認作業から行ってみるべきだろう。
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ヒアリング・質問する我々富士市議会の市民クラブ

by koike473 | 2008-01-31 23:53 | 視察・研修・勉強会 | Trackback | Comments(0)  

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