11月議会質問その1 合併浄化槽の設置促進と保守管理

 11月議会では、2つの質問をした。
 今日はその1つ目「合併浄化槽の設置促進と保守点検検査の徹底について」の報告

 9月議会では、「公共下水道への接続促進策」について質問した。しかし、富士市の人口24万人のうち、現在下水道につないでいる人は約15万人であり、残りの9万人は浄化槽で家庭の生活排水を処理している。
 また、仮に下水道が全て整備されても、使える人は22万人であり、大渕などの山間部の2万人以上の人たちは浄化槽で処理せざるを得ない。
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合併浄化槽の図(伊豆市HPより)トイレからの汚水を浄化する「単独浄化槽」に比べ、台所、風呂などの排水も浄化処理できます。平成13年から、新築の家には単独浄化槽は設置できなくなりました。

 そうした中で、大きく以下の2点について質問した。(本当は3点だが、導入部なのでここでは省きます)

 1 浄化槽の点検検査の徹底・・・浄化槽をしっかりと機能させるためには、定期的な保守点検が必要だ。しかし、浄化槽の所有者個人が点検、検査を行わなければならない中では、点検、検査の実施率が大変低いのが実情だ(法律で決められた検査の受検率はなんと3.6%にすぎない)。こうした中で、浄化槽法に基づく保守点検、清掃、法定検査を確実に行うための対策はどのように考えるか?

 2 浄化槽の設置促進・・・今後の浄化槽整備にあたっては、現在行っている「個人設置型」、これは浄化槽を設置しようとする人に補助金を交付し、個人で設置し、その後の維持管理もその方にやっていただく方法だ。しかしこれに比べ、設置のスピード、維持管理の確実さなどの点から、市が浄化槽を各戸に設置し、維持管理も行う「市町村設置型事業」も導入していくべきではないかと考えるがいかがか?

の2つだ。
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浄化槽の保守点検・検査に関するデータ(図の上で左クリックしてください。はっきりと拡大できます。)


 1については、浄化槽はしっかりと保守点検・検査を行わなければ、中のバクテリアが死滅し、汚水は何も浄化されず、そのまま河川などに放流される。これでは汲み取り式のトイレよりまだたちが悪い。
 全国的に静岡県は、検査率が極端に低く、全国で実質最下位だ。大阪府がまだ低いが、大都市なので下水道が広く普及しており、浄化槽の数は静岡県の半分以下だ。逆に岐阜、宮城、岡山は80%以上の実施率で高い成果を上げている。
 昨年度まで、この浄化槽の点検検査指導は、県の業務だったが、今年から富士市に権限委譲され、市が取り組み始めた。
 質問は、今後の体制強化と、検査実施を確実に行うための指導の仕方(先進地の事例紹介など)を訴えて終了した。
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「市町村設置型事業」に関する資料(図の上で左クリックしてください。はっきりと拡大できます。)

 2については、今後の浄化槽の整備方法の提案だ。市町村設置型事業とは、下水道と同じように、市が浄化槽を設置し(もちろん個人の敷地内に)、維持管理も市が行い、使用料をそれぞれのお宅から徴収する方法だ。
 この手法は、設置者の負担金が少なく(個人設置型の1/6)、維持管理も市が行うので、現在単独浄化槽(トイレの浄化のみ)を使っている家庭も、合併浄化槽に転換しやすくなる上、保守点検・検査も確実になる。
 私は、所属しているNPO法人ふじ環境倶楽部の関係で、5年前から富士川町でこの「市町村設置型事業」に取り組むための委員会メンバーとして検討してきた。
 その中では、財政的な面から、下水道や個人設置型の浄化槽と比較しても無理がない手法だと感じている。
 富士市では、19~20年度にかけて、全市的な「生活排水処理長期計画」を策定中だ。是非、この検討の中で「市町村設置型事業」を行った場合の財政シュミレーションを実施して欲しいと訴えた。

 結局、私の考えや要望を言うばかりで、市の考えを聞いたり、正す場面がほとんどないままに終わってしまった。
 もう少し、「市町村設置型事業」について、現段での行政側の見解と、その検討姿勢を確認しておくべきだった、と悔やまれる。(大反省!!)

by koike473 | 2007-12-06 23:50 | 環境 | Trackback | Comments(0)  

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