掛川のごみ処理施設「環境資源ギャラリー」
2007年 10月 31日
一番の目的は、掛川市・菊川市衛生施設組合で建設・運営するごみ処理施設「環境資源ギャラリー」の視察だ。


このごみ処理施設=「環境資源ギャラリー」は、単なるごみ処理施設としてだけでなく、「環境学習テーマパーク」のコンセプトで、ごみを減らし、出たごみは有効に資源として再生利用することなどを啓蒙・実践する拠点として機能している

大別すると以下の3施設から構成される
・「ガス化溶融施設」・・・燃えるごみを燃料に変え、エネルギーや有効可能な資材を作り出す
・「リサイクルプラザ施設」・・・燃えないごみから再利用可能な資源物を回収する
・「容器包装博物館」・・・容器、包装を通じて環境問題を楽しく学び体験する
また、このようなコンセプトでの施設整備、取り組みにあたっては、建設場所が決まってから、市民や有識者から成る「プラザ委員会」を組織し、1年間じっくり検討し、市民との協働作業で取り組んできたそうだ。
このような取組み姿勢は、富士市でも建設場所は別にして、大いに参考になるものだ。


掛川のガス化燃焼設備は「キルン式ガス化溶融炉」。大きなドラム(筒)の中でごみが加熱され、カーボン(炭)と可燃ガスに分解される。更にカーボンを燃焼溶融すると、灰は溶けてスラグ(コーヒーのビンの中)になる。スラグは、土木資材として活用予定だが、今のところ県の正式な使用方針が出ておらず、さほど使われていない。
富士市で課題になっている建設場所の選定については、
・市の土地利用計画において、以前から当地が「工業団地ゾーン」とされていた
・工業団地整備にあわせた周辺基盤整備(道路、水路など)が遅れていた中で、ごみ処理施設建設を契機に基盤整備や周辺環境整備を進めたいとの意向が地元地域にあった
・最も近い民家は、約200mの位置にあるが、一山超えた位置にあり特に反対はなかった
・候補地として名前が挙がってからわずか3ヶ月で地元地域の同意を得たが、その間、ほぼ毎日、市は地元に出かけ、話合いを行った
とのことだった。
以前からの位置付けや地元の意向など、富士市とは背景は違うが、行政担当課は、3ヶ月間、ほぼ毎日説得のために地元に通った点は見習わなければならない。
しかし、富士市における現在の建設候補地においては、仮にこのような努力をし直しても、それが結果に結びつくような状況にあるだろうか?
富士市の新しいごみ処理施設の建設場所、あり方などを検討する議会の「ごみ処理施設建設特別委員会」は、11月5日(月)9:30からだ。


午後、ヒアリングに伺った掛川市役所。階段状のフロア構成で、どのフロアも一望でき、開放感もある。
by koike473 | 2007-10-31 22:10 | 環境 | Trackback | Comments(0)