西宮市の環境学習都市宣言と持続可能なまちづくり
2007年 10月 19日
西宮市は、平成15年に「環境学習都市宣言」を行い、以来「持続可能なまちづくり」をキーワードにさまざまな地域の活動に取り組んでいる。
これは、具体的には現市長が就任してからの取り組みだが、昭和30~40年代にかけて、海岸線を埋め立ててコンビナートなどを建設する計画に対して、市民や地元企業が反対し、阻止してきたという歴史の中から生まれた、ある意味では必然的な取り組みだ。
「持続可能なまちづくり」は、単に自然のことだけでなく、
・生活・・・ゴミ処理、リサイクル、消費生活
・歴史・文化・・・郷土史、震災の歴史
なども学習テーマとして捉え、子供から大人まで体験しながら学べるような拠点施設とプログラム、それを支える人的体制が創られつつある。
視察した「甲子園浜自然環境センター」は、埋立て計画があった甲子園浜のすぐ前にある。
干潮時には広い干潟が現れるそうで、浜に降りると砂は白く、水はすんだきれいな海だった。
さまざまな取り組みの中でも、「エコカード」を使った取り組みは興味を引いた。
例えば小学校5・6年生は、「エコ・トレード活動」に取り組んでいる。そのしくみは、
・環境について学んだり、清掃などの活動に参加すると、エコカードにエコスタンプをもらえる。
・スタンプの数がクラス人数×10になると、環境保全、福祉、人権、国際交流などの活動費として5,000円がもらえる。
・この資金の財源は、市民や企業、青年会議所などが積み立てる「エコ・トレード基金」でまかなわれている。
このエコカードの取り組みは、小学生から大人まで、様々な年代の市民が参加できるように工夫されている。最終的には「エコマネー」として市内で循環するようになると、より効果的だろう。
富士市でも、「観光交流まちづくり計画」の中に「エコマネー・プロジェクト」が位置づけられている。
まだ手付かずの状況だが、まずは西宮のように、市民が自分達の生活の中で取り組むことが第一歩だと改めて感じた。
西宮市の下水道マンホールのふた。甲子園球場は視察先のすぐ近くだった。
by koike473 | 2007-10-19 00:23 | 環境 | Trackback | Comments(0)