第二東名自動車道対策特別委員会
2007年 08月 31日
「第二東名」と言うと思い出すことがある。
地方自治法に、「自治体は、向う10年程度を見越した自治体の長期計画である基本構想(=「総合計画」と呼ばれている)を策定しなければならない」という規定がある。
私は、昭和63年度に、金谷町(今は島田市に編入合併して存在しない)の総合計画策定を初めて仕事で担当した。
特に、福祉や教育分野などは、右も左もわからない中で、10年間の長期計画を役場の皆さんに教わりながら、いっしょにとりまとめた。
ちょうどその前年くらいから、「第二東名」の構想が持ち上がっていた。現東名のICがない金谷町は、「大井川筋の入り口に是非ICを」と活動していて、計画をまとめるころに正式に「第二東名金谷IC」設置の決定があった。
当時は「20世紀初頭の開通」と言われており、総合計画もいわゆるバラ色の計画となった。(当時、金谷町の人口は21,000人位だったが、10年後には30,000人を目指す「3万人構想」と呼んだ)
それから19年。「第二東名」は現在急ピッチで工事が進んでいるが、県内の供用開始は平成24年だ。「静岡空港」は、金谷町のすぐ隣りの榛原町に平成21年に完成するが、19年前には「空港」などの話は全くなかった。
そう考えると、高速道路の建設には長い時間がかかるものだ。
またまた前置きが長くなったが、今日の特別委員会では、工事の進捗状況について市役所で説明を受けた後、富士市内の現場の状況を視察した。
岩本山トンネル入り口につながる高架橋・・・「送り出し工法」といい、桁を徐々に手前側に送っており、あと20mで接続する
潤井川高架橋・・・第二東名全体の中でも最も長いスパン(橋脚間)140m
富士西公園・・・日照、騒音対策で数十戸が集団移転した土地を活用した公園
高さ3mの防音壁・・・現東名は、完成後に防音壁(金属や樹脂製)を設置したが、第二東名は、当初から高さ3mの防音壁用の土塀を築いている
赤渕川高架橋・・・橋脚と桁の間には、硬質のゴムを入れ、地震時の揺れを吸収する免震構造となっている
ほぼ100%用地買収は終了し、工事も大半が進み、道路の完成形がおおよそ見えつつある。
用地買収、側道整備、工事に伴う安全・安心対策など、一部を除けば特別委員会の名称に付いている「対策」に関する課題はほぼクリアされている。
平成24年の開通に向け、これからは、いかにアクセス道路の整備や周辺の土地利用の誘導、それらを生かした産業振興など、「対策」から「活用」に向け、早急に検討していかなければならないと感じた。
by koike473 | 2007-08-31 23:41 | 公共施設マネジメント | Trackback | Comments(0)