会派でアサザプロジェクト視察
2007年 07月 27日
何年も前から是非行きたいと思っていた「アサザプロジェクト」の視察が実現した。それもこのプロジェクトの中心となっているNPO法人アサザ基金の代表の飯島博さんに直接案内してもらえた。これは超ラッキーだ。

小柄で、どこにそんなパワーが?と思うような飯島さん
アサザプロジェクトは、霞ヶ浦流域の環境保全と持続型社会の構築を目指す「市民公共型事業」だ。
本来つながっているはずの湖(霞ヶ浦)、川、水田、森林等に対して行政がバラバラに行っていた公共事業を、NPO(アサザ基金)が相互に連携させることで、環境保全と地域活性化(新たな雇用、産業展開)を実現させている。
具体的には、
1 湖の全てがコンクリート護岸で覆われ、生態系が断絶されかかり、水の浄化機能が働かなくなった霞ヶ浦で、粗朶(そだ、間伐材とツルで組んだ木製波消し施設)を設置し、昔から自生していたアサザ(湖底に根を張り可憐な黄色い花をつける植物)やヨシを植え付け、生態系を戻すとともに、水質の浄化に取り組む


外来種であるブラックバスなどを原料にした肥料を使い栽培した野菜が、流域のスーパーで売られ、湖の生態系保全、漁業、農業、流通業の振興等に結び付いている

さまざまな関係者を結びつけ、ビジネスモデルをつくるアサザプロジェクト

「1石20鳥」にもなる市民型公共事業に感激し飯島氏とともに記念撮影
2 霞ヶ浦に流れ込む谷地にあった田んぼを復元し、その水源でもある周辺の里山も下刈りなどで手を入れ、湧水を増やし水質を浄化するとともに、できた米で、地元の酒造会社で酒を造り、販売している


これらの取り組みに、地域の小学生(学校ビオトープ)、高齢者(粗朶づくり)、都会の企業(NEC社員)など、これまでに延べ13万人以上が参加し、新たなビジネスモデルが続々と誕生している。
これは「市民参加」でなく、まさしく市民が始めた「市民型公共事業」に、後追いで「行政参加」している形だ。
「行政にはできません。行政は、自分の領域だけでやりっ放しですが、僕らは地域産業につなげているから長続きするんだと思います」という飯島さんの言葉が印象的だった。
富士でも、田子の浦港の環境再生までも視野に入れた「沼川・浮島プロジェクト」に是非取り組んでいく必要があると思う。言いっ放しじゃなくて、本当に!
「アサザプロジェクト」の取り組みは、HP(http://www.kasumigaura.net/asaza/)もありますが、「環境再生と日本経済 -市民・企業・自治体の挑戦-」(三橋規宏 岩波新書)に詳しく紹介されています。是非、一読をお勧めします。なお、同じ本に、富士市の「煙突ゼロ作戦」が紹介されています。
by koike473 | 2007-07-27 23:54 | NPO・市民活動 | Trackback | Comments(0)