ガクハイだよ。
2007年 07月 24日
昨日から、年に1回(5日間)の定期点検・補修工事が始まっており、今日は岳排の概要についての説明を受けた後、2箇所の視察を行った。
1つは、老朽化した直径1.8mの下水管の補強工事。地下6mにある既存の管を、その内側から樹脂製の帯を巻きつけ管の強度を上げるとともに、漏水がないようにする工事。SPR工法と言うそうだが、昨日から24時間体制で進め、約40mの区間が内側から見ると、全く新しい管に生まれ変わったように見える。
2つ目は、直径4.8mの最も大きい管。と言うより、これはもはやトンネルだ。田子の浦港近くの地下15mの位置にあり、JR東海道線の地下を横断している。
この岳排には、富士・富士宮両市の79社、100工場の排水が流れ、最終的に田子の浦港に放流されている。「下水道」と言うと、どこかで浄化処理しているとまず考えるが、この岳排には処理場がない。
第2次大戦後、昭和20年代から岳排は建設され、当初は最終処理場を現在の東部浄化センター付近に計画していたが、地権者などの同意が得られず断念。その後、鈴川海岸から駿河湾への海中放流も計画されたが、これも漁業者の反対で断念。結局、排水を出す各工場で、基準値以下まで自家処理し、その排水を岳排の下水管に流している。
今日視察した管理組合は、下水管やポンプ施設の維持管理など、「いかに確実に排水を流すか」が本来業務であり、放流水質のチェックは、市(環境保全課)が行っている。
つい先日、市内最大手の製紙2社(日本製紙、王子製紙)で、ばい煙のデータ改ざんが明らかになったばかりだ。公共の処理場がない岳排も、基本的には、各企業との信頼関係の中(定めたれた水質まで各工場で浄化処理し、放流するという取り決め)で運営されている。企業の姿勢が改めて問われるとともに、行政としても、しっかりと監視していかなくてはならない。
一方で私は、この方式で本当にいいのだろうかと前から疑問に思っている。皆さん、一度、沼川の河口あたりに行ってみてください。昭和40年代と同じような場面に出くわします。いくら富士山がきれいに見えても(今日は見えなかったが)、これはどうにかしなきゃ。
by koike473 | 2007-07-24 23:10 | 環境 | Trackback | Comments(0)