高いレベルの救急隊員を育てる 富士市消防本部の「救急技術シミュレーション」
2023年 12月 27日
にほんブログ村
25日(月)は、富士市消防本部の「救急技術シミュレーション」を見学した。
これは、救急通報を受けた際、その患者さんの様子などを観ながら、病態を観察し、病院へ搬送するまでの手順を的確に判断、実施できるかをシミュレーションするものだ。
会場の外廊下で待機する3名1チームで組む救急隊。
シミュレーションに参加する救急隊員に事前に電話等で連絡があるのは、下表の「想定の種類」だけだ。
私が通しで見学した第1会場は、高さ6mの高さから飛び降り自殺を図った想定のシミュレーション。
傷病者役(飛び降りた人)からはうめき声、泣き声が発せられ、一気に緊張が高まる。
救急隊到着。
母親役に質問しながら、傷病者の意識や状況を確認していく。
この場合、骨盤骨折で内出血が1~4リットルあることもあるので、そうしたことをどう想定し対処するかを、上司である評価者が厳しく評価していく。
より高度な処置が必要との判断で、ドクターヘリで3次救急病院へ搬送することを決め、その病院のドクターとも電話連絡を取る。
ドクターヘリに向かうために、患者を救急車に乗せる。
車内では、血圧や病院到着までに要する時間等を勘案しながら輸液を注入するかどうかを検討。
今回は、そのままヘリに乗せる方が良いと判断。
ここでちょうど時間終了となったが、評価者以外にも消防幹部職員、記録係、そして中央病院の看護師、市議会議員等が見学する中で、瞬時の判断と対応が求められる。
相当のプレッシャーだ。
他の2会場は、それぞれ別の想定に従いシミュレーション。
最後は、評価者と対面しながらの検討会(反省会)。
実戦を想定したこのような厳しいシミュレーション訓練が、高いレベルの救急隊を育てていることを実感した。
by koike473 | 2023-12-27 08:29 | Trackback | Comments(0)