「未来のクルマは裏山で作る!」 毎年出席するたびに大きな動きを感じる「ふじのくにCNF総合展示会」
2018年 10月 26日

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24日(水)は、ふじさんめっせで開催された「ふじのくにCNF総合展示会」に参加した。

主催は、静岡県、関東経済産業局、富士市だ。

小長井市長も「富士市は本年度、『CNF関連産業推進構想』を策定しています」と力が入ったあいさつを。

その後、この日のお目当てである京都大学の矢野弘之教授による基調講演「セルロースナノファイバー材料の製造と利用 ~未来のクルマは裏山で作る~」。

サブタイトルが刺激的でいい。
矢野教授は、CNFの用途開発の追い風?として「環境問題に関する最近の話題」から話を始められた。

マクドナルドやスターバックスで「使い捨てプラスチックの使用禁止」となったことが象徴的で、環境・社会・ガバナンスに配慮した「ESG投資」(Environment、Social、Governanceの頭文字)が大幅に伸びている。

その額は、この5年間で2500兆円、世界中の投資の1/4に当たるそうで、その伸び方が著しいとのこと。
逆に言えば、ESGに配慮していない企業からは、投資を引き上げる動きに直結する。

パリ協定で定めた世界平均気温の上昇を2℃以内の目標を達成するには、石油、石炭、天然ガスは燃やせなくなり、これらは「座礁資産」、資産価値が大きく下がる資産と言われているそうだ。
ここでCNFの登場だ。
日本の人工林ではCNFが毎年1500万トン増えており、それは年間プラスチック消費量の1.5倍に匹敵するそうだ。

CNFを混入した強化樹脂材料は、「成形→粉砕→成形」でも強度が落ちずマテリアルリサイクルが可能なため、更に環境負荷が小さくなる。

CNFを靴底に活用したアシックスのランニングシューズは、軽くて耐久性が高いことから年間200万足販売を目指しているそうだ。

材料を提供した星光PMCのブース。


しかし、まだまだコストの面で課題が大きい。

矢野教授は、現実的な対応として、全てがCNFにまで微小化しなくても、パルプを少し細かくした程度のものを樹脂に混ぜ込んでも相当強度が上がるので、そうした使い方を進めるべきではとの提案を。
実際、サムスン(韓国)は、家電分野でこのような使い方に舵を切ったとのこと。

出展企業のブースには、大きな人だかりができていた。

毎年、新しい動きが進化していくCMFの開発動向から目が離せない!
by koike473 | 2018-10-26 08:00 | 産業振興・雇用 | Trackback | Comments(0)