ユニバーサル就労環境づくりの「大きなうねり」を実感 松本市の㈱エコミットさん
2016年 08月 09日

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先日出かけた会派の視察で、松本市(長野県)では、㈱エコミットさんを視察した。

エコミットさんは、富士宮市にある㈱エンビプロ・ホールディングス(複数のリサイクル会社の経営管理を行う持ち株会社)が平成25年に設立した障害者就労移行支援事業所(就労継続支援B型も併設)だ。
松本市を拠点に以前からリサイクル事業に取り組む「㈱しんえこ」の敷地内にある。


大きく2つの系統の就労移行支援に取り組んでいる。
1つは「工場系」の「エコミットまつもと」。

パソコンや小型家電の解体作業を通じて、就労に必要な体力、集中力、コミュニケーション力を養う。

最初は、パソコンの解体から。

目の前のパソコンが、自分の力でさまざまな部品に分解されていくことで、利用者の皆さんは「自分で解体できた」という達成感と自信を持つことにつながるそうだ。
次の段階が、アルミ、ステンレス等の金属の分別作業。

集中力と判断力が養われる。
現在、18人の方が在籍しており、こうした職業訓練を通じて、同じ敷地内にある「㈱しんえこ」さんに就職する人もいる(これまで6人)。

比較的大型の電化製品を分解し、分別していく。
「㈱しんえこ」さんは、家電、金属、事務機、自動車、古紙等のリサイクルに取り組んでおり、全45人中、現在は15人の障害を持った方々が就労している。



またこの約2年間で「㈱しんえこ」さん以外にも、さまざまな企業に就職している。

2つ目が「オフィス系」の「ブライトまつもと」だ。

こちらは、松本の中心街、パルコの隣にあるビルの3階にある。

利用者の皆さんは、高校、大学は卒業したが、近年増加している発達障害等により、周りの人とうまくコミュニケーションがとれず、なかなか就職に結びつかなかった方が多いそうだ。

カリキュラム。

コミュニケーションの基本、ビジネスマナー、パソコン等、専門学校のようだ。

これらの講師を企業のOB等の方々に務めてもらい、ブライトがセカンドキャリアの受け皿にもなっている。
今年4月からの開設で、8人が在籍している。
まだ就職まで結びついた例はないが、利用者の皆さんは、松本の街なかで、多くの人の動きを見ながら、日に日に自信をつけていっているようだ。

㈱エコミットさんは、こうした取り組みに加え、民間企業側に立った新たな取り組みもいくつか検討している。
ユニバーサル就労環境づくりに向けた動きが、全国で「大きなうねり」となっているのを実感した視察だった。
by koike473 | 2016-08-09 08:27 | Trackback | Comments(0)