9月議会の一般質問は、「公害アーカイブスの制作」と「セルロースナノファイバー活用への取組み」
2015年 10月 02日
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明け方の雷と風は、尋常ではなかった。
4時前に大雨警報も出て、先ほど(7:19)解除されたばかりだ。
私は、ウトウトしながら朝を迎えたが、被害はなかっただろうか。
今日のブログは、現在開会中の9月議会での私の一般質問について。
今回は、「富士市の公害アーカイブスの制作」と「セルロースナノファイバー(CNF)活用への取組み」の2つで、10月7日(水)10:00から。
でもこれだけでは、何のことやらさっぱりわからないですね。
いつもながら長文ですが、お読みいただけれ幸いです。
■「富士市の公害アーカイブス」の取りまとめ・制作について
富士市は、戦後、昭和30年代からの我が国の経済成長と相まって、地場産業である製紙業に加え、化学工業、輸送用機械工業等の進出により、飛躍的な発展を遂げ、県下有数の工業都市となった。
一方このような発展は、同時に田子の浦港のヘドロ問題をはじめとする水質汚濁、大気汚染、悪臭等のあらゆる公害を発生させ、昭和40年代には「公害のデパート」と言われるほど、全国的に汚名が知れ渡った。
しかしその後、市民、企業、行政が、多大な苦労、工夫、協力をしながら克服に取組み、現在ではその多くがほぼ改善されつつある。
そして現在の子ども達は、このまちがかつて公害に苦しんだことすら知らずに富士市で生まれ育ち、生活できるようになっている。
だが、こうした「公害とその克服の取組み」は、工業都市・富士市にとっては二度と繰り返してはならないこととして、また地球的視野で環境問題を考えなければならない現在、成長を目指そうとする世界各国・各地にとっても参考事例として、正確でわかりやすい記録が残され、伝えられていくことが重要と考える。
その当時から50年近くが経過しようとしている。
来年の市制50周年を機に、当時の関係者がお元気で、記録や資料が散逸しない間に、市内外の多くの方々にわかりやすい「富士市の公害アーカイブス」(英語で「記録・保管所」の意味。今日では、この言葉は「時代を記録した映像などを保存・活用する施設や機能」を示す世界の共通語となっている)として、「富士市の公害とその克服の取組み」をDVD等に取りまとめ、学校、企業、地域等で活用するとともに、後世に残し、伝えていくべきと考えるがいかがか。
■セルロースナノファイバー(CNF)の研究・開発・活用に関する産業政策について
セルロースナノファイバー(CNF)とは、木材等の植物繊維をナノオーダー(1mmの百万分の1)にまで微細化することで得られる新素材である。
軽量(鋼鉄の5分の1)、強度(鋼鉄の5倍)、熱膨張(ガラスの50分の1)、成形自由度、環境負荷(植物由来でカーボンニュートラル)等の面で優れた特徴を有し、様々な産業分野への用途展開が期待されている。 例えば、自動車のボデイや内装材、半導体の電子材料、人工血管、人工骨、フィルター、包装材、食料品等、多分野にわたっている。
また資源が少ない我が国において、木材は資源的に豊富であることから、国の成長戦略を取りまとめた「日本再興戦略」(2014、2015)において、「林業の成長産業化」として「木質バイオマスについて、(中略)、セルロースナノファイバーの国際標準化に向けた研究開発を進めつつマテリアル利用(原材料としての利用)への取組を推進する」と位置づけている。
国では、経産省主導で産学官のコンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」を平成26年6月に産業技術総合研究所内に設置し、大学、研究機関、企業等が参加するオールジャパン体制の研究・開発が始まっている。
静岡県も、本年1月に「CNF産業振興セミナー」を、6月には産学官民が連携してCNFの研究、製品化を支援する「ふじのくにCNFフォーラム」を設立し、併せて、「キックオフセミナー」をいずれも富士市で開催している。
更に8月末には、政府関係機関の地方移転に関する静岡県からの提案として「産業技術総合研究所 材料・化学領域 機能化学部門(広島市)」を盛り込み、国の「まち・ひと・しごと創生本部」に提出している。
知事は、その際の記者会見で「具体的には、富士地域に集積する紙パルプ産業を活かして、本県の先駆的な取組と連携を図ることのできるCNF、セルロースナノファイバーの東日本の研究拠点を富士市へ創設するように提案するものです」と説明している。
こうした動きを富士市としても積極的に捉え、新たな産業政策として取り組んでいくべきとの考えで、以下の質問を行う。
1 富士市として、CNFの研究・開発・活用を今後の産業政策としてどう位置付けようと考えているか
2 県が設置した「ふじのくにCNFフォーラム」に参加している全体及び市内の企業の数、業種内訳、フォーラム内での現在の活動は把握しているか
3 川上(CNFの製造)、川下(CNFの製品への活用)での展開にあたり、今後解決しなければならない課題をどう考えているか
4 CNFの今後の研究・開発・活用に当たり、静岡県と富士市との連携、役割分担をどのように考えているか
5 現在策定を進めている「第五次富士市総合計画後期基本計画」、「富士市まち・ひと・しごと創生総合戦略」、「第2次富士市工業振興ビジョン」の中で、CNFの研究・開発・活用を明確に位置付けていくべきと考えるがいかがか
6 当面、富士市が取り組む具体的な支援・バックアップ方策はどう考えているか
by koike473 | 2015-10-02 07:37 | 富士市議会 | Trackback | Comments(0)