うっそうとした明治神宮の杜は100年前に計画的に設計・植栽された人工林
2014年 07月 18日
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今日は、内山・須津山財産委員会で視察した明治神宮(東京)の話。
明治神宮は、全国に約8万社ある神社で一番参拝客が多い神社だ。
しかし、一番新しくできた神社でもあるそうだ。
明治神宮は、明治天皇・昭憲皇太后をおまつりする神社で、お二人のご逝去後、大正9年に創建されたが、その後神社庁では、新規の神社創建を認めたことは一度もないとのことだ。
ちょうどこの日(7月15日)は、毎月1日と15日に行う儀式で神官の入場を見ることができた。
外苑はラグビー場、野球場、国立競技場とスポーツ施設が立地し、内苑は70haの杜と本殿等から構成されている。
苑内に入るととても涼しい。外とは3~4℃違い、これは杜=森林のおかげだ。
この神宮の杜は、100年近く前に設計、植栽された人工林だ。
当時の我が国の林学・生態学の研究者たちが勢ぞろいして取組んだ。
100年後(ちょうど現在)には、常緑広葉樹の極相林(自然林=その場所の気候、土壌等で人間が手をかけずに本来成立する林)に遷移していくよう考えられた。
全国から365種、10万本が献木されたそうだが、この100年間で遷移が進み、現在では4万本にまで減っている。
写真の中央の枯れ木もその1本で、自然にまかせそのままにしておくそうだ。
「当時は、もっと南の暖かいところで生育するため育たないと考えられていたクスノキが、実際には高木の主要木となっているのは、温暖化の象徴です」との説明に驚いた。
しかし、幹の直径20cmほどの樹木や下草は、全てこの地で実生で育ったものであり、今はスダジイ、コナラ等が優先している。
また地面からは種から芽を出した稚樹が、いくつもある。
苑内には、この林に降って地下に浸透した雨を水源とする湧水源もある。
そこから流れる水路沿いには「菖蒲田」も。
ここの地名「代々木」の起源となった樅の木。
近年は、外国の方の参拝が目立つそうだ。
自然のもの全てに神が宿っているという「八百万の神」の考え方の「神社」、「神道」は、日本独自の考え方だ。
東京に行ったら、改めて寄ってみたいと思う。
by koike473 | 2014-07-18 08:37 | 森林づくり・林業 | Trackback | Comments(0)