紙の技術が詰まっている「県富士工業技術支援センター」
2013年 03月 01日
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今週の火曜日、2月26日は、「紙のまちを考える会」で、県富士工業技術支援センターを視察した。
まずは会議室で、倉田センター長(左)、望月研究員(右)からセンターの概要説明。
その後、施設内を見学。
正面玄関ロビーからは、富士山がきれいだ。
さまざまな古紙を原料に、水分を変えながらまずは手で紙を抄く実験室。
このどろどろしたもので水100に対し、重さで5%の古紙配合の原料。
製品化しようとする紙を実際に機械で抄いてみるテスト用大型連続抄紙装置。
実際に工場にある抄紙機械の小型版だが、長さ15mほどで1億円かかったそうだ。
1度動かすのに12万円かかるそうだ。
こちらは段ボール箱等の性能を調べる実験室。
大きなロールの中に段ボール箱等の紙製品を入れ、箱ごとゴロゴロと回転させ、箱の中に入れた製品の破損度=安全性を調べる。
製品を段ボール箱に入れ、長距離トラックで運んだ場合と同じ振動を与え、その影響を調べる装置。
1時間で2000km走行した場合の振動を与えられるそうだ。
これは電子顕微鏡。ほんの小さな異物や、破損箇所の物質の特定が可能とのこと。
見学後、再び会議室で意見交換。
紙に特化した試験所は、全国に愛媛、高知、岐阜、そして富士の4カ所しかないそうだ。
いずれも古くからの紙の産地だ。
東日本では、富士しかないので東京をはじめ、県外の企業からもさまざまな相談や試験に訪れるそうだ。
相談件数は、年間約5,000件もあるのには驚いた。
中小メーカーでは用意できない試験機材が充実しているからだそうだ。
しかし、市内の製紙会社の中には、まだセンターの存在すら知らず、一度も利用したことがない会社もあるようだ。
この日は、中小メーカーの技術者を対象にした研修会も開催されていた。(主催は、センター内に事務局を置く県紙パルプ技術協会)
企業だけでなく、ほとんどの市民もセンターの存在を知らない。
私もテスト用大型連続抄紙装置は初めて知った。
まずはもっと企業の皆さんに知ってもらい利用すること。そして年に何回かは、テスト用大型連続抄紙装置を市民にも公開し、実際の紙の製造方法を見学できるような機会ができるといいのだが。
by koike473 | 2013-03-01 08:14 | 産業振興・雇用 | Trackback | Comments(0)