（ＩＳＯ＋市民協働）的手法で取組む安全・安心づくり セーフコミュニティ亀岡

にほんブログ村

　今日は、視察3日目に伺った亀岡市（京都府）の「セーフコミュニティの取組み」の話。

　亀岡市は、京都市の西側に隣接する人口92,000人余の京都のベッドタウン的な市だ。
　この亀岡市は、平成20年にＷＨＯ（世界保健機関）セーフコミュニティ協働センターから「セーフコミュニティ認証」を日本で初めて受け、安全・安心のまちづくりに取り組んでいる。

　セーフコミュニティ（ＳＣ）とは、「事故やケガ、傷害、自殺等（＝外傷）は、偶然に起こるのではなく予防できる」という考え方で、地域住民や行政などが連携・協働して、誰もが安心して安全に暮らすことができるまちづくりを進める取組みだ。

　私は、実際に亀岡市に伺う前までは、事前に入手した資料を見ながら「どこの自治体でも取り組んでいることではないのか？」と思っていた。

　ところが担当の課長さんから説明を受けると、「目からうろこ」的な取り組みだった。

　亀岡市がＳＣ活動で対象としている「外傷」を整理し一覧にすると、以下のように整理できる。

　確かに交通事故やいじめ、ＤＶ、自殺対策等は、どの自治体でも担当部署を配置し、それぞれに取り組んでいる。

　しかし、さまざまな関係者が連携して、データをもとに発生原因を検証し、目標と対策を練り上げ取り組んでいるかと言えば疑問符が付く。

　この「セーフコミュニティ」は、「（ＩＳＯ＋市民協働）的手法で取組む安全・安心づくり」のイメージだ。

　以下の「ガイドラインに基づく流れ」にあるように、データ分析と目標設定を明確にした「ＰＤＣＡサイクル」が基本だ。

　7つの重点テーマごとにＳＣ対策委員会を設置し、住民、行政から委員が参画して取組んでいる。

　私が一番共感したのは「データの可視化」だ。
　事故やケガの発生原因や場所、時期等を丁寧に分析・データ化して、グラフ等でわかりやすく示す。

　これには消防（救急出動）と警察のデータ提供が必要で、そのための協力体制づくりが必須だ。

　それを基に対策を考え実行する。

　更に次年度、その効果を検証し、改善策に取り組んでいく。

　こうした結果、この5年間で取組み効果が確実に上がっている。

　課長さんが何度も言っていた「横串」（住民と関係行政機関・部署の連携による関係資源の集中化）と「データの可視化」がポイントだと感じた。

　亀岡市はＳＣに国内で最初に取組み、来月23日には再認証（平成20年から5年経過）される見通しだ。
　またＳＣの取組みは、全国各市に広がっている。

　富士市でもそれぞれの部署、関係者が「安心・安全づくり」に取組んでいる。
　それを体系化した「セーフコミュニティ」の取組みについて、更に研究・検討してみたいと思う。