「ピンチをチャンスに!」 「紙のまち」を考えるシンポジウム
2012年 07月 10日

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7日(土)は、ラ・ホール富士で開かれた「『紙のまち』を考えるシンポジウム」に参加した。


大手製紙企業の縮小や撤退が進む中で、いかに「紙のまち」として生き残り、再生を目指すかを考えようという趣旨のシンポだ。

司会は、前富士市議会議員の小倉道利さん。

そして3人のパネラーの皆さん。
まずはそれぞれのパネラーから、紙を取り巻く厳しい状況や課題が報告された。
最初は、富士市出身で自治体問題研究所・主任研究員の池上洋通さん。

リーマンショック以降の日本全体の紙の生産量、需要量が大きく減少していることが報告された。
一方で、中国の生産量は拡大の一途であり、賃金(人件費)を比較したら、日本の今後の拡大はずいぶん厳しい。
次は春日製紙工業㈱の久保田隆三会長。

「製紙産業の黄昏」は、池上さんの報告に通じるところがあったが、「古紙リサイクルシステムが危ない」という話には驚いた。

ここでも「中国」がポイントだ。
生産が旺盛な中国に日本から古紙が流れていて不足気味だったが、ここに来て
・ヨーロッパの経済不安で、中国からヨーロッパへの輸出が減りだぶつき気味
・中国国内の古紙回収率がどんどん上がっていて、2015年頃には国内古紙で賄えるようになる
・日本国内では、東日本大震災後、自家発電→売電を行う製紙企業が増え、その燃料としてパルプ生産時に採ることができる黒液を使った方が得なため、バージンパルプの使用が増えて古紙利用が減っている
こうした状況が続くと、古紙が余りリサイクルが成り立ちにくくなる。
最後は、富士市議会議員の西村綾子さん。

大手製紙企業の撤退・縮小による雇用や税収面での懸念に加え、「関連事業への影響」が心配だ。
岳南排水路、県営工業用水、田子の浦港。これらはいずれも一定量の需要を前提に造られたインフラだ。
需要が先細りの中で、いかに維持管理・更新していくか。
しかしこうした時期だからこその前向きな提案もあった。
特に久保田さんからは、中小企業はコージェネレーションを活用した共用の抄紙機で紙をつくり、各メーカーはその加工に特化するような共同生産体制で効率化を図るべきでは。
また、私が昨年、一般質問した「100万kW級のLNG火力発電所」の提案もあった。
「このまま東電の高い電気を使っていたらジリ貧だ。自分達(地域)で使う発電事業が新たな産業にもなる」。
閉会時には、春日製紙工業さんから芯なしトイレットペーパーのプレゼントが。

シンポ終了後には、パネラーの皆さんと話をさせていただき、「発電所は、市民株主のような仕組みで」、「まずは議会・議員の公開勉強会から」など、貴重なお話、提案をいただいた。
「ピンチをチャンスに」だ!
by koike473 | 2012-07-10 08:10 | 産業振興・雇用 | Trackback | Comments(0)