「有料化」と「生ごみ収集・資源化」により「リバウンドしないごみ減量」に取組む名張市・・・その2
2011年 10月 27日
生ごみは燃えるゴミの約6割を占める一方、水分が多いためごみ焼却施設(クリーンセンター)に与える負荷が大きく、その分ごみ処理費用が高くなる。
いかに焼却施設に持ち込まれる生ごみを減らすかが、どの自治体にとっても大きな課題だ。

名張市では、生ごみを収集し民間施設に委託処理する方法で、22年度から生ごみ減量の実証実験に取組んでいる。

流れは以下の通り。
①モデル地区の約2000世帯に協力いただき、週2回の燃えるごみ回収日を1回に減らし、減らした1回を生ごみ回収とする。
②協力世帯には、生分解性プラスチック(袋ごと堆肥化できる)の生ごみ専用袋と水切りバケツを配布する。

③週に1回、ごみステーションにて回収する。

④トラックで民間処理施設に持ち込み、YM菌で分解処理する。この処理により生ごみの99%は消滅し、残り1%が堆肥となる。




このYM菌による生ごみ処理は、昨年11月に会派で視察に行った佐賀市の下水汚泥処理施設とほぼ同じ方法だ。
名張市が大きく異なるのは、それを民間施設に委託処理していることだ。
話を伺うと、何年か前に市内に食品廃棄物をこうして処理する企業が立地したそうだ。
そこに委託処理している。
「生ごみ処理は行政がリードしなければ」と思っていた私には、「目からウロコ」の取組みだった。
今年(23年)の夏は、「ニオイと保管対策」のために生ごみにかける木質チップと水切り陽三角コーナーを配布し2回目の実験(約1000世帯参加)に取り組み、更に生ごみ収集の拡大を目指している。

また、市の部長さんは「他の資源ごみは有価で売れます。しかし生ごみは売れません。ですから今の燃えるごみ収集処理費の中で生ごみを収集処理しなければ市民の皆さんの理解が得られません。そこで週1回の燃えるごみ回収費用以下で委託処理ができることを確認し取組んでいます」と説明された。

富士市でも、新環境クリーンセンターの建設に向け生ごみの減量は大きな課題だが、その取り組みは各家庭での減量処理に委ねようとしている。
改めて生ごみの収集処理について検討すべきだと思った名張市の視察だった。

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by koike473 | 2011-10-27 08:02 | 環境 | Trackback | Comments(0)