コンパクトシティに向けた第一歩・・・特別用途地区、高度地区制度の導入検討

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 一昨日(27日)は、今年から委員となった都市計画審議会があった。
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 正式な議案は、数年前から地元の皆さんと市で検討・協議していた件であり、審議委員ほぼ全員が一致して了承した。

 私が興味を持ったのは、「特別用途地区及び高度地区の導入について」の検討報告だ。
 富士市は、まちの核がもともと分散し、その上市街化区域が広いため、低密度な市街地が拡散しながら都市を形成してきた。
 しかしこれからは、このブログでも何度も書いているが、人口が減少・高齢化する一方で、道路、上下水道、公共施設等の維持管理に金がかかる中では、さまざまな機能を「まちなか」や市街化区域内の「拠点」に集約するコンパクトシティ=集約型都市構造に切り替えていかなければ「まちが持たない」。
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 これまでは、総合計画の中や、都市計画の考え方の中でそうした考えが述べられてはいた。

 しかし、昨日の報告の中では、都市計画制度という事務レベルにおいて、コンパクトシティに向けた歩みが始まりつつあることを感じた。

 現在適用されている用途地域(例えば、戸建て住宅が拡がる富士見台団地の大半は「第一種低層住居専用地域」など)では、それぞれの用途地域に応じて建築できる建物の用途や規模(延べ床面積)、高さなどが規定されている。

 だが、用途地域の規定だけでは、今回報告された、「商業施設(ショッピングセンター)のような大規模な集客施設」(延床面積で3000~10,000平米)が、市街化区域外縁の住居系あるいは工業系の用途地域に分散立地してしまう傾向が続いてしまう。
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 そこで、既存の用途地域の上に「特別用途地区」というもう一つの網(規制)をかけようというものだ。
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 その結果として、今後は大規模集客施設は、本来商業施設が立地すべき「商業系用途地域」のみ(下図の黄色のエリア)に誘導していこうという考え方だ。
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 また建物の延床面積だけでなく、高さの規制についても住居系、工業系用途地域の中で導入しようというのが「高度地区」の考え方だ。
 高さ規制の現状と、「高度地区」制度を導入しようと検討しているエリア。
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 こちらも結果として、本来高い(様々な機能集積が可能)建物の建築が可能な「商業系用途地域」に誘導していこうということだ。
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 このようにコンパクトシティを目指す手段だが、特別用途地区も高度地区も、新たな私権制限を伴うことから十分な情報公開と議論が必要だ。
 その上で、確かに必要だと判断されれば都市計画で位置付け、市の条例も制定していくこととなる。

 都市計画審議会は、今後のまちづくりに関し大変重要で、責任を持たなければならない審議会だ。

by koike473 | 2011-07-29 08:40 | まちづくり・都市計画 | Trackback | Comments(0)  

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