富士市建設業組合の皆さんとの意見交換会

 今日は、議会で所属する会派・市民クラブと、富士市建設業組合の役員の皆さん方との意見交換会があった。
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 市民クラブでは、今年の会派の研修方針として、様々な分野の「市内の現場」を確認し、議会としてどう活動していくかを考え、実行していこうとしている。
 4月から、福祉施設、土砂採取現場等の視察・ヒアリングを行い、今回もそうした中での一環として取り組んだ。
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 先月、私も参加した「建設業フォーラム」(富士市共産党議員団主催)でもパネラーとして出席し、話を伺った井出組合長をはじめとする役員の方々から、フォーラムの時より更に突っ込んだ話を聞いた。
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 行政が発注する公共工事は、その透明性を高めるために、数年前から
  ・指名競争入札から一般競争入札(その会社が資格を有していれば、どんな会社も自由に入札に参加できる)の導入
  ・予定価格(行政側が積算したその工事の予定の価格)の事前公表
等を行なうケースが多い。
 これは、その工事を受注しようと思ったら、どこの会社でも手を上げることができ、予定価格より安く仕事ができると言えば(入札すれば)安いほどその可能性が高くなるという仕組みだ。
 一見、自由な競争のもとで、より低いコストで公共工事が進むように見え、いいことばかりのように思える。

 建設業組合役員の皆さん
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 しかし現実は違う。
 「ダンピング」=安値競争がますます進んでいく。
 公共工事のパイが減る中で、何とか仕事を確保しようと、市内外のその地域に関係のない業者が、全くの営業努力もなしに低価格で入札に参加し、仕事を取っていく。
 地元の業者さん達は、仕事を受注するためもあるが、建設業ならではの能力や持っている資材等を活用した防災面等での目に見える地域貢献活動にも積極的に取り組んでいる。
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 それが地域の特性等にうとい全く関係のない業者に、安値でたたかれ仕事を持っていかれてしまう。

 こうした流れが、更に「たたきあい」を進める悪循環になっている。

 これで、本当にしっかりした(品質が確保された)工事ができるだろうか?下請け、孫請けを泣かさないような体制で仕事ができるだろうか?

 特殊な工事のため、ほとんどが東京に本社を置く大手のゼネコンしか指名されず、地元の業者はメンバーに入っていなかったが、今議会の初日に審議した「旧富士川町クリーンセンター解体工事」入札では、予定価格の約50%で落札された。
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 数年前まで、役員の皆さん側(建設業)にいた私には、とてもせつない話だった。
 本当にいろいろな課題はあるが、「適正な競争の下で、適正な受注金額で、しっかりした仕事」ができて、基本的には市が発注する工事では地元にお金が還元されるような公共工事にならなくてはと思うのだが。

by koike473 | 2010-06-16 23:42 | 産業振興・雇用 | Trackback | Comments(0)  

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