浮島ヶ原自然公園の今後
2010年 05月 25日


4月に正式にオープンしてから初めてだ。


まだ整備工事中だった3月中旬に行ったときと比べると、植物の成長に驚くばかりだ。


3月は、絶滅危惧種の「ノウルシ」の群落が目立っていたが、今では全くわからない。


木道脇に配置された解説カードで「ナヨナヨワスレナグサ」はわかったが。

管理棟も完成した。

近づくと、開園記念テープカットのこんな写真が。

管理棟内では、訪れた皆さんが興味深そうに展示物を見ている。

開園以来、土日・祝日は、富士自然観察の会の皆さんが管理棟に詰め、来園した方々に園内の動植物等の解説を行なっている。
平均すると、土日・祝日では300~400名/日が公園に訪れているそうだ。
これだけ多くの方が訪れるのは喜ばしいことだが、中には犬を連れてきて一悶着起こしたり、自然観察の会の皆さんも全くのボランティアで活動している方が大半で、複数の団体等から解説の要望などがあった場合は、対応に苦慮しているようだ。

この公園は、利用者からすれば浮島、いや富士市の原風景である湿地の自然を知り、楽しむ公園だ。
そのためには、その自然をわかりやすく解説してもらえるソフトのサービスが重要だ(それがないと全くわからない)。
その点で、来園者がそれぞれに広いスペースで自由に遊んだり、花を楽しむことができる他の公園と基本的に異なっている。
またこの公園に残され、復元された自然は、残念ながら広い富士市でも既にこの園内にしかないものが多く、引き続きそれを守り、育成していかなければならない。
そのためにも、継続かつ適切な維持管理が重要だ。
公園がオープンして2ヶ月近くたったが、早い段階でそうした利用や維持管理・運営に関するしっかりした体制づくりが必要だと思う。
管理棟の入口には「ニホンメダカ」と「カダヤシ」の水槽が。

こっちは外来種の「カダヤシ」。

こっちが在来種の「ニホンメダカ」。中央のメダカはお腹に卵を抱えている。

横から見ると。私は卵を抱えたメダカを初めて見た。

カダヤシは卵胎生(卵を胎内で孵化させる)で子どもが生き残る確率は高い。しかしニホンメダカは卵を草などに産み付けるので食べられてしまうことが多く、カダヤシに駆逐されたようになってしまっているとのこと。
こんなことも、解説してもらったからわかることで、それがなければただ通り過ぎてしまうだけだ。
まだ、浮島ヶ原自然公園に出かけたことがない方も多いのでは?
是非、今度の休日にでも出かけてみてはいかがでしょうか?
by koike473 | 2010-05-25 23:52 | 花・みどり・公園 | Trackback | Comments(2)
今の浮島ヶ原自然公園の課題、書いていただいた通りだと思います。
管理棟の写真ボード、メダカとカダヤシの展示、園内の解説カードと、自分の発案で始めてみました。大学時代にフィールドミュ-ジアムに少し関わっていたこともあり、博物館としての見せ方が必要と思いまして。
やはり、見方をこちらがガイドや解説の手だてをとらないと、春先と違ってヨシばかりで何もない、と感じる方も多いようです。
開園から1ヶ月半経って感じることは、自然公園としての設立目的と一般の来園者の「公園」に対するイメージに乖離があるかなということです。犬の散歩問題にしても「他の公園ならOKなのになぜ?」という声が何人かから聞かれました。
湿地の保全とサワトラノオを始めとする絶滅危惧種の保護という目的からみると、個人的には「公園」ではなく、「富士市立(自然史)博物館 浮島ヶ原フィールド」としたいな、なんて思います。
フィールド博物館として維持管理ができるといいんですけどね。
「博物館としての見せ方」、確かに大事ですね。
動植物などに詳しくない人が公園に行っても、「そうなのか~」と思うことがないと全くおもしろくないですものね。
私は、メダカとカダヤシの水槽で「そうなのか~」と感激しました。きっと忘れないと思います。
長谷川さんがイメージするような「富士市立自然史博物館 浮島ヶ原フィールド」のような、公園の基本的な姿をしっかり位置付け、それを踏まえた運営や各種の取組みが必要ですね。
そんな基本的なところを検討する協議体制を早くつくることが重要だと感じます。