特別養護老人ホームの視察

 23日(金)は、所属する会派・市民クラブで市内の特別養護老人ホームを視察した。
 「視察」と言うと、先進的な取り組みをしている市外、県外の市町に年に2~3回出かける。
 一方本年度は、市内の公共施設等もしっかり現状と課題を把握すべきという考えで、市内各所の視察を重視しようということになった。

 既に19日に第1回目が行なわれたが、私は別の研修に出席していたため、この日が初めてだった。

 2つのグループに分かれ、それぞれ3箇所ずつ回った。
 私のグループは、「みぎわ園」(今泉)、「楽寿園」(大渕)、「明和園」(大渕)だった。

 「みぎわ園」でのヒアリング
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 2つのことで強く印象に残ったことがある。

 一つは、施設(建物・設備等)の老朽化の問題だ。
 楽寿園は、昭和50年に開設し、特別養護老人ホームとしては、市内第1号施設だが、30年以上が経過し、施設の老朽化と改修の必要が急務となっている。
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 楽寿園の「サテライト(分園)」として平成20年に開設したばかりの「明和園」(この2つの施設は、同じ社会福祉法人 誠信会さんが運営している)や平成15年に開設した「みぎわ園」と比較すると、その差は歴然だ。
 しかし現状では、補助制度等がないため、そのやりくり(改修や更新)の目処がたっていない。
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 市内では施設の新規整備がまだまだ必要な一方、このような施設更新も同時に対応していかなければならない。
 これは、私が以前から感じ、対策が急務だと訴えている「公共施設の長寿命化」とまさに同じだ。
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 道路や公共の建物であれば税金を使うことが当然だが、ある部分では社会全体で負担すべきであるこうした民間の福祉施設では、長寿命化や大規模改修のための財源のあり方についてどこかで検討しているのだろうか?
 確認が必要だ。
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 もう一つは、施設で働く職員のみなさんのことだ。
 この日回った3つの施設では、どこも職員の方がキビキビと動き、入所者の方とコミュニケーションをとろうとしながら、懸命にお世話をしている姿が印象的だった。
 しかし、努力すれば成果が出る他の仕事と違い、介護の現場ではなかなかゴールが見えない。残念だが、状況の改善が期待できないケースが圧倒的に多い。
 そうした職場で「やりがい」をどこに見出すかが、非常に重要になると思う。
 「高齢者をうやまう」という基本的なことはどなたも理解し取組んでいらっしゃるだろう。しかし、その気持ちを常に持ち続けながら従事することの大変さも、同時に思ってしまう。

 ヒアリングの中では、どの施設の方も「介護職員、看護職員の定着」を大きな課題にあげていた。
 難しい問題だ。

by koike473 | 2010-04-25 23:31 | 保健・福祉・医療 | Trackback | Comments(0)  

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