「気になる子」の増加 こども療育センターを訪問して
2010年 01月 19日
新人議員の研修会・「チャレンジ改革7」での訪問だ。

今回は、私が幹事だった。
本当は10月に行なう予定だったが、いろいろ理由をつけて3ヶ月も遅らせてしまった。
療育センターの前は何度も通ったことはあるが、中でどんな活動が行われているかも知らず、一度訪問したいと思っていた。
こども療育センターは、小学校就学前のこどもの心身障害の早期発見と早期療育を目的に平成3年にオープンした施設だ。

センターは、「療育相談室」と通園部門の「みはら園」から構成されている。

近年、「小1プロブレム」という言葉をよく聞く。
小学校に入学した子ども達の中に、授業中立ち上がって教室を歩き回ったり、他の児童とうまくコミュニケーションが取れない子どもの割合が高くなり、授業が成り立たなくなるケースが増えている。
これは、小学校に入学したばかりでまだ環境に慣れておらず、また親がしっかり教育してこなかったからなのではと考えがちだ。
しかしどうもそうではない。
このような集団不適応、情緒不安定、おちつきがないなどの子ども達は、「発達障害」という脳の器質的な障害を持っている子が多い。
外見は、普通のこどもと変わらないが、集団の中では上手に対応ができないケースが多く、それが「いじめ」や、成人した後の「衝撃的な事件」の遠因になっている。
そしてこうした発達障害のこどもたちは、全体の6%以上の割合で存在している。
つまり、35人のクラスには、必ず2人程度はいるということだ。
私は、こんなに高い割合だとは思ってもみなかった。

このため療育センターでは、近年は「みはら園」(通園してくる子 計60人)だけでなく、「療育相談室」のスタッフが市内の幼稚園・保育園を訪問してのアドバイスや情報交換に力を入れている。

しかし幼稚園・保育園、そしてその後進学する小中学校の先生方が、こうした「気になる子」=発達障害の子ども達への接し方や指導の仕方を理解し、身につけているかと言えば疑問だ。
忙しい中で、そこまで勉強する時間が取れなかったり、先生方をサポートするサポート員の数や研修も圧倒的に足りない。
職員の方々から説明を受けた後の意見交換の中でも、そこに議論が集中した。
私ももっと勉強しなければと思う。

療育相談室長の井出さんは、私が小学校の頃通っていた「そろばん塾」(伝法珠算学校)の先輩だ。
小学校6年(私が4年)の時、全国珠算大会で優勝し、「小学生そろばん日本一」になった人だ。
笑った顔は、その頃と全く変わらない。
by koike473 | 2010-01-19 23:42 | 教育 | Trackback | Comments(10)
約6%と言われていますが、実際には軽微なLD(学習障害)の疑いのある子まで含めるともっといるように思います。1クラスに4人はいるように思います。
現場でも研修を重ねていますし、以前は「しつけが悪い」「わがままだ」「だらしがない」と判断されていたのが、「もしかしたら発達障害なのかもしれない」という見方ができてきているように思います。
ただ、特別支援教育が本格的にスタートして5年ほどであり、幼稚園・保育園、小学校、中学校、高校、そして療育センター等の支援施設との連携がまだあまりうまくいっていない面があります。今は、それが課題なのかなと思います。発達障害を抱えた子をどう支援していくか、就学だけではなく就職まで見据えて支援していくためには、もっと行政のテコ入れが必要なのかなと感じます。
現場の先生たちは、個別の支援が必要なことはわかっているけど、他の子もいるわけで、その子だけに関わっているわけにもいかないし、かといってほっとくわけにもいかないし…と悩んでいるのが現実でしょうかね。
支援員制度がもっと充実してくるといいんですが。
ありがとうございます。
療育センターは福祉部門で、幼稚園、小中学校は教育委員会というところで連携がうまくいっていない面もあるのでしょうか?
今度、放課後児童クラブの指導員の皆さんを対象にした「気になる子」に関する研修会が開かれるそうです。
支援員の方々をはじめ、保育、教育に関わる皆さんへのこのような研修も重要ですね。

私は、小学校時代は、情緒障害学校で3年間勤めました。最後の5年間は特別支援教育の市内の部長をしましたが、何も出来ないままに退職しました。幼稚園では4年間発達障害児と関わってきました。
その体験からの実感は、実に楽しかったと言うことです。出来るだけ周りの集団に適応させようと思いましたが、どうもその考え方は違うように思いました。つまり発達障害の子供(大人)と一緒に楽しんで過ごすことだと思うようになりました。この世の中は、いろりろな人の集まりですから、当たり前のことです。今は、私が関わった発達障害の子供たちがどんな大人になっているか見届けたい気持ちです。その意味でも長生きしたいで末す。今後もよろしくお願いします。
ありがとうございます。
「世の中は、いろいろの人の集まりだから、一緒に楽しんで過ごす」。
私も、ぜひそう感じ、そう過ごせたらと思います。でも心からそう感じるには、少し時間がかかりそうです。
でも、自然観察をはじめ、野外で遊べば、誰も一緒ですよね。
頭で考えるより、身体で感じるほうが先ですね。

山ちゃんさんが言われていたように。「発達障害の子供(大人)と一緒に楽しんで過ごすことだと思うようになりました。」が一番大事なことですね。つき合ってみると、彼らは定型発達の子供にはない人としての面白さがあります。困った子、気になる子は確かにいるのですが、 A先生には困った子でもB先生には別に困らない、気にならない場合もあるわけで、接する側の受容態度にもあると思います。ただ、授業中にやたら出歩く、暴言を吐いたら確かに困るのですが。富士市の場合、就労までつなぐ支援はまだ構築されていません。幼稚園、保育園、小中、高校、もまだまだつながっていません。しかし、療育相談室長の井出さんをキーパーソンに意欲ある方々がいるので、将来は明るいと思っています。(人ごとみたいでごめんなさい)そうそう、 TクリニックのN先生と医師会の先生たちも発達障害の子供への支援を広げてくださってます。小池君をはじめ富士市の将来を背負う子供への支援を真剣に考えている方々に、敬意を表します。
やはり、人を育てていくことが、富士市に一番大切なことと思うんですよね。障害の有る無しに関わらず。
いろいろな子どもがいるのですね。いろいろな大人がいるように。
その人の「いいところ」を、うまく見つけ、接していくことができればと思います。
でも、こちら側がそう思い、そう接するためには、やはり発達障害についてもっと勉強することが必要ですね。
3月22日(祝)に、NPO法人ゆめ・まち・ねっとが主催する「子どもをまるごと受け入れる ~発達障害の子どもを思春期の不登校や非行から守るために~」という講演会の案内をいただきました。
児童精神科医の佐々木正美先生という方の講演です。
参加してみようと思います。

教育、福祉関連の方々だけでなく、医療の先生方のかかわりも重要ですよね。
定期的に公開討論会を開いているとは存じ上げませんでした。
2日は議会中ですが、今のところ「休会日」の予定です。
なるべく都合をつけて参加させていただきたいと思います。