景観シンポジウムで感じたこと

 7日(月)は、ロゼシアターで開かれた「富士市景観シンポジウム」に参加した。
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 このシンポジウムは、景観法に基づき富士市が「富士市景観計画」を策定したこと、そしてその計画に実効性を持たせるために「富士市景観条例」を制定・施行したことを広く市民の皆様に知ってもらおうと開催したものだ。
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 さらに、それに併せ、富士市の美しい景観を再認識するとともに、「富士山を活かす富士市の景観づくり」を考えようとするものだ。
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 具体的な景観計画、条例の内容としては、大規模な建築物の大きさや色に関し、明確な規制が設けられた。
 また、他市では指定しているところもある「景観形成重点地区」については、候補地区は挙げられたが、実際の指定については今後の取り組みに委ねられている。

 その後、基調講演とパネルディスカッションに移る前に、市内の景観形成に関する活動事例の紹介があった。

 まずは、「わき水田宿川委員会」の活動。
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 今泉で私も参加している田宿川の清掃活動だ。
 既に40年になる(私はほんの10年だが)。この活動は、平成20年度静岡県景観賞を受賞している。

 次に、写真はないが「富士ばら会」の皆さんが取組む中央公園のバラ園の育成管理活動。この活動は平成18年度に静岡県都市景観賞を受賞している。
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 そして最後は「富士市の農業者」の皆さんが丹精込めて栽培している「富士山南麓の茶園」の景観。これは本年度(21年度)の優秀賞を受賞した。

 これらを見ると、共通していることがある。
 いずれも、美しい景観づくりを目的に取組んできた結果の受賞ではないことだ。
 「わき水田宿川委員会」は洪水を防ぎ生命・財産を守るため、「富士ばら会」は、おそらく皆さんバラの栽培そのものが好きだから、そして「富士市の農業者」はお茶という農産物の生産が目的で取組んできたのであって、決して景観づくりが最終目的ではない。

 更にどの活動も、何十年という継続の中で取組んできて、その結果が美しい景観として評価されている。
 こう考えると、景観とは、決して奇をてらったものでなく、長い年月をかけて人の手が入り、その地域になじみ、と言うよりその地域ならではのものと感じられるようになった時に初めて、誰からも美しいものとして評価されるのかもしれない。

 そしてこのシンポジウムのメインである基調講演とパネルディスカッション。

 基調講演は元国際ラリーストの山村レイコさん。
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 パネルディスカッションは杉山涼子富士常葉大環境防災学部准教授、版画家の風鈴丸さん
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 山村さん、地域まちづくり研究所の伊藤所長。
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 コーディネーターは富士市景観審議会委員長の天野光一日本大学理工学部教授。
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 どちらも「富士山を活かす富士市の景観づくり」をテーマに話が進んだ。

 シンポジウム終了後、駐輪場で参加した人から「富士山だけでなく、もっと市民に密着した景観の話をしてほしかった」という意見をいただいた。
 また一緒に参加した同僚議員からも、同じような声が上がった。

 しかし、ならばこれから何にどう取り組んでいったらいいのだろう?

 ゴミがない街にする、生垣を増やししっかり管理する、家の形や色をある程度統一する等々。
 どれも人々が継続して、一定のルールのもとで時間をかけて取組まなくては、一朝一夕には出来上がっていかないものだ。
 そうした意味では、わき水田宿川委員会の田中さんが言っていた「我々は、これからも愚直に川掃除をやっていくだけです」という言葉が印象的だ。
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 目標(将来の姿)がずれていたら困るが、市全体や地域の人たちが目標を共有したら、その目標に向け「愚直に」取組んでいくことが、景観づくりには最も重要だろう。
 そして私たち市議会議員は、その目標がずれないように常に行政や市民の皆さんに投げかけつつ、同時に先頭に立って活動していくことも求められているのだ、と感じたシンポジウムだった。

by koike473 | 2009-12-09 23:04 | まちづくり・都市計画 | Trackback | Comments(0)  

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