吉原再開発のあり方 大手ゼネコンの厳しい評価?
2009年 07月 09日
昨年度、再開発事業の基本的なしくみを勉強し、モデル街区を設定した中で、再開発ビルをイメージした。
沼津駅前の再開発ビル「イーラde」のフロア構成
本年度は、その「再開発ビル」の実現性、可能性はどうか、外部の専門家の「眼」を入れながら検討していこうというものだ。
この日は、ファシリテーターをお願いしている川口建築都市設計事務所さんの「ご縁」で、再開発事業等に実績がある大手建設会社(=大手ゼネコン)3社の専門家にお越しいただき勉強会を行った。
特に、2社は全国展開している大手で、東京、名古屋などから担当者に来ていただいた。
結論から言うと、この日の話では、昨年描いたような「街区全体、キーテナント誘致」型の従来の再開発は非常に事業成立が難しい、という感じだ。
いずれも、富士市、あるいは吉原の立地条件や可能性を全否定はされなかった。
しかし、
・何とか事業が成立しそうなK市でも、使えるだけの補助金制度を全て使ってトントン(この補助金制度を使うためには、富士市ではかなりハードルが高い)
・保留床(事業費を生み出すために新しく作る商業や居住のための複数階の床)が売れない。賃貸で賃料をかなりダウンせざるを得ない
・キーテナントだけでは集客は無理。地域の生活を支える他業種店舗が必要
・そうした中では、従来の再開発事業以外の方法も考える必要がある
などの意見だ。
ただ、共通していたのは、居住機能の集積に関してだ(と思った)。
・「街なか」にいかに人に住んでもらうか
・若年層、ファミリー層、高齢者層のどこをターゲットと考えるか
・そのために再開発でどんな商業をはじめ生活サポート機能を取り込めるか
いずれにしても、そう簡単に「再開発」が成立しないということを強く感じた。
しかし、老朽化による耐震面から考えれば、吉原の商店街は「待ったなし」の状態だ。
全国各地に、同じ時期(昭和30年~40年代)に建設された「防災建築街区」が多数あると聞く。
そうした地方都市では、どのように改築に取り組んでいるのだろうか?
今月中に次回研究会を開催する予定だ。
地権者の皆さんは、この日の勉強会でどう思っただろうか?
忘れない内にしっかりと意見交換しておかなければ!
by koike473 | 2009-07-09 01:27 | まちづくり・都市計画 | Trackback | Comments(0)