近代製紙業発祥の地と「紙の博物館」
2009年 03月 31日
今日は、その中で「紙の博物館」の報告。
「紙の博物館」は、東京のJR王子駅前の飛鳥山公園内にある。

「飛鳥山公園」、なつかしい言葉だ。
一応造園学科に在籍していた学生時代、「造園史」の授業で、「飛鳥山は、江戸時代のサクラの名所であり、明治以降の都市公園のさきがけとして江戸市民の憩いの場所だった」というような講義を聴いた。
明治時代になってからは、日比谷公園と並び、日本で最も早い段階で「公園」として位置づけられたはずだ(?)。
この日は、既に園内には「花見用」と思われるいくつかの仮設トイレが設置されていた。(飛鳥山公園の写真は撮り忘れました)
博物館は、以前は王子駅を挟んだ反対側の王子製紙敷地内にあったが、平成9年に現在地に移転したそうだ。
建物そのものも、展示コーナーも思ったほど大きくはない。

富士市立博物館の中にある「紙のコーナー」(?)と大して変わらないような気がした。

特に、紙の歴史や製造工程を伝えるコーナーは、素人である我々には、ほとんど同じようなものが展示されているように見えた。
また、古紙から再生紙をつくる工程も説明されていたが、その際に発生する「ペーパースラッジ」(PS)についてはほとんど?全く?触れられておらず、ちょっとがっかりした。

富士市では、PSの処理、活用が大きな課題なのに、全国的にはさほど問題はないのだろうか?
しかし、博物館としての説明体制、資料のバックアップ体制は大変しっかりしているようだ。

我々とは別のグループの方々は、事前に説明予約をしていたようだが、学芸員?の方が解説をしながら案内していた。
また、私の「思いつき」のような質問にも、ていねいに書庫を捜し、資料を見せてくれた。
これは、富士市内の王子特殊製紙(鷹岡)入口にある「夜明けの像」という黒人マスコット像の話だ。


私のあいまいな記憶にもかかわらず、女性の学芸員の方が古い書物を2冊捜し出してくれた。またマスコット像の本物は、この博物館の収蔵庫に保管されており、鷹岡の像は、レプリカであることも確認できた。
このような「博物館のソフトウエア」は、大いに見習いたいところだが、「金がかかるだろうな」。
そして最後に改めての発見があった。(私にとっては大きな発見です!)
日本の近代製紙発祥の地は、この博物館がある「東京都北区王子地区」ということだ。
この近くには、JRの王子駅、東十条駅、十条駅がある。王子製紙、十条製紙(現・日本製紙)の名前がそれを表している。

この地図を見るとよ~くわかるでしょ?
※博物館内は、貴重作品以外は、許可を受ければ「カメラ撮影可」とのことで撮影しました。
by koike473 | 2009-03-31 23:52 | 視察・研修・勉強会 | Trackback | Comments(0)