岩本山の森づくり 森の力再生事業
2009年 02月 25日
森の力再生事業は、静岡県が荒廃した森林の再生を進めるにあたり導入した「森林(もり)づくり県民税」(平成18年度から県民一人当たり400円/年)を財源として行う森林整備事業だ。
具体的には、土砂災害の防止、水源の涵養などを図るため、間伐や土留め工事などを行い、森林が持つ機能をもっと引き出そうとするものだ。

岩本山は、遠くから見ると、岳南平野の西端に見え、それほど高くないやさしい里山のように感じる。

日蓮宗の名刹である実相寺の山号にもなっていることからわかるように、実相寺の裏山でもある。



しかし、山門をくぐり、実際に山道から入ってみると、切り立った急傾斜面がほとんどの山だ。

ヒノキの植林地に竹が侵入し、ほとんど管理されていない林も目立つ。
こうした林は、素人目に見ても、日光が入らず、ヒョロヒョロした木が多く、下草も生えず、危険な感じがする。
このような手が入っていない林を、森の力再生事業によって、全体の40%を間伐するそうだ。
既に間伐工事に着手し、伐った場所には日光が差し込んでいるところもある。

また、伐った間伐材を利用して「制水工」に組んである場所もある。


制水工は、土砂や降った雨が下流に流れ出るのを防ぐ防災のためと、雨を地下に浸透させる水源涵養の役割を果たす。
そして、制水工にした間伐材は10年位で土に還る。


竹林は、竹材を使った制水工だ。
しかし、全部が全部制水工にできるわけではなさそうだ。

あまりに急なところは、伐った木や枝が下にころがらないよう、残した木の根元に置いておくのが精一杯のようだ。
しかし、本年度の事業はまだ始まったばかりで、3月末まで行われるようだ。
本年度エリアの全体工事が終わった4月にでも、もう一度出かけて、「ビフォー・アフター」を確認してみたいと思う。
by koike473 | 2009-02-25 22:21 | 森林づくり・林業 | Trackback | Comments(0)