富士市立中央病院 産婦人科閉鎖の危機!

 今夜は、フィランセで「緊急シンポ 富士市のお産はどうなるの?」が開かれ、参加した。
f0141310_2152843.jpg

 主催は、市議会の女性議員3名で構成する会派「未来ネット」だ。
f0141310_2154711.jpg

 参加者は、お産を控えたり、小さなお子さんを持つお母さん方(署名活動を行っている)、一般市民、市内の産婦人科などの開業医の先生、中央病院の先生、助産所関係の方々、富士市職員、県・市議会議員など、50~60名程が参加したのではないだろうか。
f0141310_216229.jpg

 最初に、市長から「慈恵医大が、来年3月末で、市立中央病院から産婦人科医師を引き揚げる」と新聞等で報道された経緯について説明があった。
  ・全国的に医師不足、特に産婦人科の医師が足りない中で、慈恵医大医局も足りないため、4人の派遣医師を引き揚げたいと大学病院産婦人科教授から申し入れがあった
  ・現在の診療体制を維持するには最低4人が必要だが、現在の4人の内、1名は富士市出身者であり、その先生は、「合計4名が確保されれば、自分は中央病院に残る」と表明している
  ・このため、何とか最低3名の医師を確保しなければならない
  ・現在、市長と病院長が、慈恵医大だけでなく、浜松医大をはじめ、複数の大学に、医師派遣の要請を行っている(中央病院は確かに慈恵医大系列だが、現在でも30%は、他の大学病院からの派遣だそうだ)
  ・来年4月以降に出産を予定する方が、診察に来始めることとなる本年6月末~7月初旬までには、医師確保の目処を立てるべく努力している
  ・市はもちろん精一杯やるが、市民の皆さんの親戚、知り合い等で、富士市出身の産婦人科医がいたら是非、市役所に情報を届けていただきたい
f0141310_220465.jpg

 市長は所用があり、30分ほどで退席したが、その後のさまざまな立場の方からの発表は、驚くことばかりだった。
f0141310_2201532.jpg

 市内の開業医や中央病院の先生からは、
  ・全国の産婦人科医の数は、1990年には14,000人いたが、現在は9,000人で、この約20年で4,000人減っている
  ・これは、90年代に国が大学の医学部の定員を制限したことが大きい
  ・特に産婦人科医は、最近では大学終了の新米医師の70%が女性医師だが、10年(?)後には、その5割が燃え尽きたような形で産婦人科医をやめてしまっている
  ・一方、産婦人科医の3割は、「団塊の世代」の医師で、数年後には引退していく方が多い
  ・また、一人前の産婦人科医になるには、5~10年の経験が必要である
  ・産婦人科医としての現実の課題は、以下の3点だ
   ・出産時の事故(母子の死亡や後遺症)などに関する訴訟問題
   ・厳しい労働条件(平日勤務に加えての月に10回の当直勤務)
   ・報酬(大学の医局に勤務するより、中央病院では給料が低い)
  ・大学入学定員を増やしたからと言ってすぐに増えるものではない
  ・「日本全国、産婦人科医の奪い合い状況」であり、仮に来年4月以降に4名の医師が確保できても、永久に確保されたわけではない
  ・日本中、医師が余っているところはないので、インドや中国などから「医師を輸入」することも考えなければならないのでは?
などだ。

  ・そしてもし中央病院の産婦人科が閉鎖されると、緊急的に帝王切開などの手術をしないと母子が死亡する危険が高い出産ができなくなる
  ・これは富士市だけのことではなく、同じ医療圏に含まれる富士宮市、芝川町も同じことだ
と言う、衝撃的な話ばかりだった。
f0141310_2165736.jpg

 また、「産婦人科がないなら、昔のように助産所で産めばいい」という意見も良く聞くが、現在、富士市内には助産所はない。
 今日は、富士宮市内で助産所を開業している方々(2名)も発表された。
 しかし、
  ・本年度から、産婦人科の嘱託医または病院と契約しなければ助産所が開設できない
  ・静岡県では、妊婦検診に対し最大5回の検診まで公費で負担されるが、助産所は対象外である
などの厳しい話が続いた。

また、中央病院の先生からは、
  ・仮に助産所が増えても、事前にリスクが高いと判断された妊婦や、お産の際に危険が高まり手術が必要な妊婦は、中央病院で対応する必要があるため、中央病院の体制が整っていなければ不完全
とのことだった。
f0141310_220354.jpg

 今後、出産を控えている方にとっては緊急の問題だ。
 しかし問題は、今回の「引き揚げ報道」に留まるものではない。日本の医学教育・医療構造の根本に関わる問題であり、少なくとも向う10~20年は医師不足が続きそうだ。
 そうなると、例えば、我が家にとってみれば、3人の大学生の息子や娘がこの先、いつ結婚、妊娠してもおかしくはなく、この問題と直結してくる。
 そしてこう考えると、若い夫婦だけでなく、子どもや孫、つまり家族や親戚を持つ全市民、全国民に直結する大きな問題だ。

 市民みんなが現状を知り、考えなければならない。まずは、身近にできることは、緊急の課題である来年4月以降の医師確保のための署名活動だ。

 もちろん議員にとっても、全員が考え、行動しなければならない大きな問題だ。
 中央病院の緊急の医師確保はもちろん、安定した我が国の医療体制早期確保の要望についても、市行政と歩調を合わせ取り組んでいかなくてはならないと思う。

by koike473 | 2008-05-02 02:22 | 保健・福祉・医療 | Trackback(1) | Comments(0)  

トラックバックURL : http://koike473.exblog.jp/tb/7975119
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from 魚眼(ぎょがん)しんぶん at 2008-06-03 09:23
タイトル : 親になる瞬間から『モンスター』だった
『モンスターペアレント』という言葉をご存知だろうか。 先日、久しぶりに遊びに来た教員の友人も、「うちの学校にもモンスターいてさぁ~」と使っていた。 『モンスターペアレント』とは・・・。 学校に対して自己中心的で理不尽な要求を繰り返す保護者を意味する(ウィキペディアより) ようだ。 言ったもん勝ちのような横柄な態度で、教員や管理職、教育委員会などに出向いてくる親ども。 ありゃあ、頭がおかしい。 常識的な範囲でまっとうな意見は大いに参考になるしありがたいものだ。 しかし、自分の子ど...... more

<< 一万歩 元吉原 松と潮騒コース 久しぶりに行った「いちばの朝市」 >>