傾斜が緩い「逆断層」とは? 注視が必要な「富士川河口断層帯」
2014年 05月 27日
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24日(土)は、富士学会で恩師・岡田先生の発表を聴いた後、市消防防災庁舎に向かった。
「ふじのくに防災学講座『富士川河口断層帯を知る』」を聴講するためだ。
7階の大会議室は、ご覧のように満席。
15分ほど遅れて参加だったが、静岡大学防災総合センターの狩野特任教授による「富士川河口断層帯の地下構造を探る -プレート境界の実態解明と地震リスク評価の再検討-」と題した講演を聴いた。
富士川河口断層帯とは、富士山の西側で富士川に沿ったエリアに南北に延びる何本かの断層のことだ。
これまでは、地表面の調査だけでその存在が指摘されていた。
写真にある星山(富士宮市)の丘陵部は、かつてこの断層が地震でずれた結果できたものだそうだ。
議会の場でも、特に3.11以降、南海トラフ巨大地震と連動した場合の揺れの危険性について何度か質問があったが、市でも「はっきりつかめていない」という見解だった。
今回の調査では、富士川河口断層帯の中央~北部側を構成する大宮断層を横切る東西方向に人工的に地震を発生させ、その伝搬速度等から、地下構造を解析したそうだ。
それによると、従来、大宮断層は「正断層」(引っ張り方向に力が働きずれる)と考えられていたが、「逆断層」(両側から圧縮する方向で力が働きずれる)だったそうだ。
また、その傾斜角度が約20度と緩いため、急傾斜の正断層とした場合より地震1回の変位量(高さ)が大きかったと推定される。(この説明がよくわかるスライドの写真を撮り忘れた。残念!)
これは、「単独でマグニチュード8クラスの地震を起こす」とされた別の研究結果とも合致するそうだ。
更に、南海トラフ巨大地震の発生源とされるフィリピン海プレートとのつながりの可能性もあるとのこと。
今後の更なる調査が必要で、既に取組んでいるとのことだ。
注視しなければ。
by koike473 | 2014-05-27 07:32 | 防災 | Trackback | Comments(0)