コンパクトシティと都市計画の線引き制度・・・笠岡市(岡山県)を視察して

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 5日(火)から7日(木)まで、所属する会派・市民クラブで西日本方面に視察に出かけた。
 今日は、その一つである笠岡市(岡山県、人口約54,000人)の「線引き制度廃止による共生型土地利用について」の話。
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 この視察は、都市計画法により、市街化(道路、公園、下水道等の都市基盤施設とそこでの住宅、工場、商店等の建設と営業)を促進する「市街化区域」と、逆に市街化を抑制する「市街化調整区域」に区分する「線引き制度」の廃止事例を視察したものだ。
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 笠岡市が線引き制度を廃止したのは、住宅等をほぼ自由に建設できる「市街化区域が非常に狭いため、周辺市町に人口の流出が続いていた」ことが最大の理由だ。
 都市計画区域全体に占める市街化区域の面積割合は約12%であり、我が富士市の約31%に比べるとかなり低い。
 これは市全体の地形的条件などによっても異なるが、笠岡市では、この市街化区域の中の未利用地(今後宅地として利用できる土地)がほとんどゼロの状態だそうなので、「狭い市街化区域」は確かなようだ。

 そうした中で、8年かけて国や県、また市民の皆さんと協議を行い、平成21年4月から線引きを廃止し、旧市街化調整区域(新しい「特定用途制限区域」)でも一定の条件の下、住宅等を建設できるようになった。
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 廃止以来2年が経過したが、現実は厳しい。
 景気の低迷と周辺市町の地価の安さなどから、人口流出がまだ止まっていない。
様々な定住促進施策(新築助成金、固定資産税一部相当額助成金など)を組み合わせながら、長期的に取り組んでいきたいとのことだ。
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 一方、富士市はどうだろうか?
 所属する会派・市民クラブにも、地元が市街化調整区域であり、市街化区域への編入や線引きの廃止に関する要望をいろいろな場面で受ける先輩・同僚議員が何名かいる。
 話を聞くと深刻だ。

 しかし笠岡市と大きく違うのは、市街化区域の中に未利用地がまだまだ多いことだ。
道路、公園、下水道等の都市基盤整備は、面的に人口が集中するエリアで行なわなければスケールメリットが働かない。
 まして今後、人口全体の減少が加速する中では、市街地(もどき?)の分散拡大は「まちの骨粗しょう症」そのものにつながるのではないだろうか?

 コンパクトシティ、この言葉そのものに嫌悪感を示す人も多いが、市街化調整区域の深刻さも含め、「今後起こる現実」を直視した検討、議論をしていかなくては、と改めて感じた視察だった。

 笠岡駅前の道路の地下は、大きな雨水貯留槽を設置し、洪水対策に備えている。
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by koike473 | 2011-07-08 08:30 | まちづくり・都市計画 | Trackback | Comments(0)  

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