津波浸水エリアと標高の関係

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 今週の木曜日、16日から富士市議会6月定例議会が始まる。
 今回の議会は、東日本大震災、静岡県東部地震の直後であり、「防災対策議会」になりそうだ。

 先週、私が所属する会派・市民クラブでは、「防災対策」に関する一般質問を行なう予定の議員が4~5名いるため、会派内で重複がないよう調整した。

 私は「自主防災会の初期活動」をテーマに行なう予定だ。
 この一般質問を組み立てるにあたり、先日行った宮城県の被災地のデータを調べているうちに「エッ」と思うことがあった。
 東北大学防災科学拠点のサイトを見ていてだ。

 それは、宮城県の津波浸水エリアの標高がずいぶん低いことだ。
 岩沼、名取、仙台あたりの浸水エリアは、もともとの標高が1~2mほどだ。
 にわかには信じられず、他のサイトも捜した。
 すると、国土交通省のホームページからも確認できた。
津波浸水エリアと標高の関係_f0141310_7555731.jpg

 岩沼の市街地は海岸から4kmほど内陸にあり、岩沼駅周辺でも標高は3~4mだが、ここまでは津波が到達していない。

 現地でヒアリングした中では、「津波の高さは堤防を乗り越える10mほどだった」と聞いた。
 海岸から1km位の範囲は、「根こそぎ持っていかれた」。現場でもそうだった。
津波浸水エリアと標高の関係_f0141310_7563738.jpg

 仙台空港は標高1.7m。
津波浸水エリアと標高の関係_f0141310_7575334.jpg

 しかし、海岸から2kmほどのところの「泥かき」を手伝いに伺ったお宅(このあたりでも標高は1~2m)では、「1mくらいの津波が来た」。床上浸水のお宅が多いが、倒壊した建物はほとんどなかった。
津波浸水エリアと標高の関係_f0141310_7592063.jpg

 他の被災地と地形的条件は違うが、
  ・津波の被害を受けたエリアは、もともと標高が低い(0~2m)
  ・堤防を乗り越えた津波は、1~2kmで減衰した

 一方、富士市の標高はどうだろうか?
 昨年、市内全戸に「防災マップ」が配られた。
津波浸水エリアと標高の関係_f0141310_7595063.jpg

 中には、避難所となる小中学校等の標高が記載されている。
津波浸水エリアと標高の関係_f0141310_80980.jpg

 海岸近くの学校を見ると、田子浦小が3.5m、田子浦中が3.9m、富士南小が8.5m、富士南中が9.5m、元吉原小が12.9m、元吉原中が10.5m、吉原小が5.7m、そして一番低いのは海岸から2km内陸の今泉小の3.2mだ。

 先日聴いた田子の浦港管理事務所の報告では、港周辺の元吉原地区の標高は、最も低いJR吉原駅北口で3.5mだ。
津波浸水エリアと標高の関係_f0141310_802567.jpg

 仙台周辺と比較すると、富士市の方がもともとの標高は2~3m高い。

 皆さんは、これをどう考えますか?

by koike473 | 2011-06-13 08:05 | 防災 | Trackback | Comments(2)  

Commented by care at 2011-06-13 22:17 x
いつも市民の為に御尽力いただき、ありがとうございます。
被災者のお話では、水位5cmの差で助かったという方が多数いました。安政東海地震の浸水域を見ると大丈夫のような気もしますが、今回の震災を見ると富士市も安心できる標高ではないと思います。
先日の県主催の津波避難訓練で、田子の学校では屋上へ通じる1枚扉が狭く、数百人が避難を終えるのに時間がかかったと聞きました。また、元吉原では、その訓練すら行なっていませんでした。
震災後、多くの議員の皆様が被災地を訪れています。市役所や他の議員にも、いくつか御提案をさせていただいておりますが、富士市議会として1人でも多くの命を救いたいのであれば、費用や効率を考えず徹底的に防災対策を講じていただきたく、お願い申し上げます。
Commented by koike473 at 2011-06-14 07:58
care 様 ありがとうございます。
東日本大震災から、津波は、いかに早く高いところに避難するかの一点に尽きると思います。
低いエリアでは、早急にそうした避難場所・ビルの確保、なければ新設、そして避難場所へのスムースなアクセス確保が必要だと思います。
6月議会では、こうした議論が多くの議員と行政の間で行われると思います。
また議会内部にも地震防災対策特別委員会が組織され、本格的な検討が始まります。

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