浦添市医師会(沖縄県)の取り組みと急逝された山田富士市立中央病院長の思い

 今日は、すっかり遅くなってしまったが、1月末に視察で出かけた浦添市医師会(沖縄県)の「病院・診療所、行政の連携」と、先月25日に急逝された富士市立中央病院・山田病院長の話。
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 浦添市は、県庁所在地の那覇市の東隣に位置する人口約11万人の都市だ。
 公立病院はなく、8つの病院と64の診療所で医療体制を担っている。

 視察では、浦添医師会の山内会長からお話を伺った。
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 平成4年に、浦添医師会が独立する形で法人化した後、早くから力を入れてきたのが病院と診療所が情報や診療の面で互いに連携する「病診連携」である。

 当初は病院や診療所を合同で紹介する冊子やマップを作成・配布したり、互いの紹介状を統一フォーマットにするなど、患者さんと病院・診療所間の情報の共有を主に活動されてきたようだ。
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 しかしそれが現在では、「在宅医療ネットワーク」という形で更に進化しつつある。
 これは、近所の診療所を「かかりつけ医」(=主治医 ホームドクター)とし、更にもう一つ近所の診療所を副主治医とし、2人の先生にいつも見守られている形をつくる。
 更に、症状が急変したような場合には、あらゆる診療ができる病院(計8つ)とも連携し充分なバックアップ体制をとっている。
現在は、まだ全ての診療所がこのネットワークに参加しているわけではないが、このネットワークにより、患者さんは在宅でも安心して医療が受けられる体制ができつつあるそうだ。

 また浦添医師会では、入退院を繰り返す患者さんは、退院した際、自宅等で介護を受けるケースが多いため、医療従事者と介護従事者の「顔の見える関係づくり」が重要と考えている。
 そのため、「在宅医療ネットワーク」の枠組みに介護関連の皆さんにも参加いただくことを念頭に、医療・介護関係者の意見交換会も実施している。

 一方、行政側の浦添市では、平成14年に市役所内に医師会と共同で「メディカルインフォメーションセンター(MIセンター)」を開設した。
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 MIセンターは、保健・医療の何でも相談窓口だ。
 患者さんは、いきなり病院や診療所に行くのは「敷居が高い」ケースが多い。
 そこで、MIセンターにケースワーカーを2名配置し、病気の症状、病院や医療制度の情報等を電話での対応も含め、提供したり、相談に乗っている。

 こうしたバックアップ体制も、患者さんの「安心」の大きな支えになっているのを感じた。

 視察の最後に山内会長が言われた2つの話が印象的だった。
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 一つは、MIセンターのことと関連するが、「これまで病病、診診、そして病診連携を目指してやってきたが、これからは『病診行(行政)連携』が絶対必要です」という話。
 いろいろな話を伺い、深くうなずいた。

 そして2つ目が「公立病院の赤字解消」の話。
 「公立病院の赤字の話が全国各地で問題になっているが、そのことだけに近視眼的になりすぎていないだろうか。地域医療のあり方・姿を描くことが先決であり、そうした中での公立病院のあり方・財政のあり方ではないか?」
 富士市でも中央病院の財政健全化が求められているが、私にとっては目からウロコの指摘だった。

 今日は、2月25日に急逝された山田治男富士市立中央病院長の葬儀があった。
 山田病院長は、今後の富士市の医療の中核を担う中央病院の院長として、この2点については同じようなイメージを抱いておられたはずだ。
 残念という以外にない。
 山田病院長の意思を継ぎ、富士市及び富士圏域の地域医療体制を何としてでも充実していかなくては。

 合掌。

by koike473 | 2010-03-02 00:55 | 保健・福祉・医療 | Trackback | Comments(0)  

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