0点に終わった一般質問 その1

 6日(金)は、2月議会で私が一般質問を行った。
 しかし、点数をつければ0点だった。
 基本的なところで、質問の意図が市当局に伝わらず、持ち時間の1時間、全く議論がかみ合わないままに終わってしまったからだ。

 少し(ずいぶん?)長文になるが、私の質問通告文をそのまま掲載します。

《テーマ》
 「初動期のまちづくり」を支援するしくみの導入について

《質問趣旨》
 市民・企業・行政が、それぞれの役割を分担しつつ連携して取り組む「協働のまちづくり」が言われて久しい。
 本年度から策定作業が始まった第五次富士市総合計画においても、計画策定の基本方針に「市民、企業が主体性を発揮できるものであること」が明確に謳われ、「協働」を前面に打ち出している。
 こうした中、昨年7月から12月にかけて各地区のまちづくり推進会議が中心となり、10年後に目指す地区の将来像と、それを実現するための基本方針や必要なソフト・ハード事業を提案する「まちづくり提案書」の策定作業が、短い期間の中で精力的に行われた。
 合併を契機にまちづくり推進会議を設立した富士川地域の2地区でも現在策定作業に取り組んでおり、3月には提案がまとまると聞いている。
 この各地区でとりまとめた「まちづくり提案書」は、地区住民の皆さんの思いが込められ、市民主役のまちづくりを推進する第一歩となるもので、大切にし、大きく育てていくべき「まちづくりの原石」であると考える。
 また、このとりまとめにあたっては、事務局を各地区のまちづくりセンターが担当したが、「地区住民と行政の協働によるまちづくりの拠点」を目指すまちづくりセンターの最初の大きな仕事となったのではないかと考える。
 こうした中で、以下の4点について質問する。

(1)「まちづくり提案書」の策定経過、各地区から提出された提案内容の概要、特徴ある提案(ソフト、ハード部門)は、どのように把握しているか

(2)新総合計画(五次総)の作成・とりまとめにあたり、これらの提案は、どのように整理・検討し、計画に反映したり、地区に回答していくのか

(3)地域発意のさまざまなまちづくりへの提案や取り組みに対し、担当の市職員チームを派遣し相談に乗ったり、まちづくりのテーマに応じた勉強会の講師を派遣したり、地域としての取り組み計画をまとめる上で専門的な技術面や合意形成の面でサポートするコンサルタントを派遣するような、「地域主体の初動期のまちづくり」の動きを支援するしくみが必要と考えるがいかがか(提案)

(4)またそうした取り組みの事務局を、地区まちづくりセンターが担っていくべきと考えるがいかがか(提案)

 以上が質問通告文だ。
 今回のポイントは質問(3)に置いていた。詳しく言うと以下のとおりだ。

 「協働」を切り口に各地区の皆さんが発意し、中心になって取り組もうとする提案。例えば、地区を流れる河川や里山あるいは公園等の美化や管理・活用、元気をなくしている商店街のにぎわいづくり、地区の元気な高齢者も参加して取り組む子ども達の安全・安心確保対策、一人暮らしの高齢者を地域で支え、見守る対策など、幅広い分野で多様な提案があると思う。
 そして、このような取り組みを市内各地で活発化していくことが、「協働のまちづくり」につながると考える。

 例えば、私が住む今泉地区では、大変意欲的な提案があった。
f0141310_2344306.jpg

 仮に名前をつければ「吉原公園~田宿川 歴史と湧水回廊構想案」だ。(図は、皆さんの意見を基に私が作成。クリックするとはっきり見ることができます)
 吉原公園の隣に、富士山信仰の拠点であった六所家(富士山東泉院)がある。現在史跡調査が行われており、今後、吉原公園と一体となったオープンスペースとしての整備活用を市でも考えている。
 しかし、地元・今泉の皆さんは、さらに隣の日吉神社・本国寺という歴史とみどりに包まれた空間、さらには湧水が流れる田宿川をつなぐ「回廊」的な遊歩道網を造ろう。
f0141310_23445891.jpg
f0141310_2345465.jpg

 写真上:六所家と日吉神社入口  下:本国寺前の坂道

 それには自分達も参加・協力する形でやっていきたいという提案だった。

 私はとても感激した。地域の皆さんが地元を愛し、思う誇りと意欲に。
 しかし、これは今泉地区の検討委員になった数十人、もっと言えばプロジェクトチームの数人の意見を元にした提案だ。

 今後このような提案を実現化するには、まだまだ各地区の中で、何度も議論し、その取り組みの目的や目標、内容を地区のより多くの皆さんが理解、納得した上で、楽しく、やりがいを持って取り組めるような「地区として合意した計画」にまで煮詰めていく必要があるだろう。
 その部分の合意なしでは、「協働のまちづくり」の実現は、私は不可能だと思う。
 このように地域で発意し、検討・議論を行い、地域の皆さんで合意し、市民と行政が役割分担しながら実験的、具体的な取り組みを始めるまでの時期を「まちづくりの初動期」と呼びたい。

 しかし、現状は、この「まちづくりの初動期」を支えるしくみがない。
 今のままでは、各地区のまちづくり推進会議に丸投げの状態になるだろう。

 このような時期こそ、提案するような3段階のサポート体制が必要だ。


 もっとわかりやすくするために、「テーマ型まちづくり」と「地縁型まちづくり」という2つのタイプのまちづくりを考えてみよう。
 これは、いわゆる「協働のまちづくり」の中では、ずいぶん前から言われている考え方だ。
 NPOや市民団体のような「この指、と~まれ」式の同志が集まり進めるまちづくりの集団を「テーマ型コミュニティ」、町内会など、居住している一定のエリアを単位にしたまちづくりの集団を「地縁型コミュニティ」と呼んでいる。
 この区分に基づく私の命名で、「テーマ型まちづくり」とは環境、福祉、子育て等、特定の分野に関するNPO等が取り組むまちづくりであり、「地縁型まちづくり」とは今回のような各地区、地域単位の住民の皆さんが取り組むまちづくりのことだ。
f0141310_23453143.jpg

 両者が取り組むまちづくりの体制や支える社会的、あるいは富士市のしくみを比較すると、圧倒的に「地縁型まちづくり」は弱い。(私が勝手に作った上表参照)
 「素手で戦争しろ!」と言っているようなものだ。

 この数年で、NPO等の市民団体に関しては、富士市においてもその活動意義に対する周囲の皆さんの理解とともに、活動環境が急速に整えられてきた(と私は考える)。
 それに比べ、従来から存在する町内会や各地区のまちづくり推進会議などをサポートするしくみは、まだまだ足りない部分があると思う。
 NPO等は、志向や考え方が似通った人間が特定テーマに応じた活動をするために集ってできた集団だから意思決定も比較的早く、さっさと活動を始められる。
 一方、地域はさまざまな方が住んでいる。年齢、考え方、何十年と同じ地域で暮らしてきた中で生まれたさまざまないわゆる「しがらみ」など。そうした中で、何かの提案に関し、議論し、地域全体として合意形成していくのは並大抵ではない。
 先ほどの今泉の「吉原公園~田宿川 歴史と湧水回廊構想案」の話で言えば、数人から提案されたこの提案を、今後、今泉地区のどなたかがリーダーになり、さまざまな考え方の意見を交通整理し、地区の皆さんだけで実効性ある構想・計画として煮詰め、合意していくことは残念ながら不可能だ。

 そこで私の提案は、まず最初は、関連する市役所の関係課の職員を説明や相談に派遣すべきというものだ。
 まずは様々な情報を持っていて身近な市役所に、気軽に相談に乗ってもらうようにすることだ。
 そして次の段階は、より専門的、あるいは先進的な視点からアドバイスを行ったり、地域の皆さんの議論をリードし、合意形成の面でサポートする外部の「第3者的な専門家」等を、地域側の判断で地域に派遣できるような制度をつくるべきだというものだ。

 この専門家は、「まちづくりコンサルタント」と呼ばれる職種で、実は私の前職だ。
 私は「都市計画、公園」系だが、商業、防災、防犯、福祉等、それぞれの分野を得意あるいは専門とするコンサルタントがいる。
 私は、議員になる前の10数年、さまざまな市や町で、このような地域の資源を活用しながら住民参加のまちづくりを進めるための「地域の合意形成」をお手伝いしてきた。
 具体的には、地域の皆さんに集まっていただいた中で、「ワークショップ」と呼ばれる車座型の議論の司会役だ。
 時には一緒に現場に出かけ、参加者全員から意見を出してもらいながら、その場でキーワードや絵を描いたりしながら、皆さんの共通する考え方をその場で確認していく。
 それをいくつかのグループに分かれ、何度も繰り返し、徐々に精度を上げていき、全員が合意形成した計画にまとめ上げる(もちろん、全員が合意形成できない部分は「今後の課題」として残しておく)。

 こうした中で感じるのが、役所の職員の皆さんと、私達コンサルタントに対する住民の方々の接し方の違いだ。
 検討を始めると、役所の職員の皆さんが司会役をやった場合、住民側から「役所はこれまで何もしてないじゃないか」、「いつから予算をつけて始めるだよ」のような意見が出やすく、「役所攻撃合戦」になってしまうこともよくある。
 しかし利害関係や何もしがらみがない外部のコンサルタントではそれはなく、スムースに議論を進められる。

 とても長い勝手な文章になってしまったが、そんな「外部の専門家・コンサルタントを派遣できる制度」をつくるよう提案するつもりだったが、議論はそこまで行かず、全くかみ合わなかった。

 長くなりついでですみません。続きをまた明日、書かせていただきます。

by koike473 | 2009-03-08 23:48 | まちづくり・都市計画 | Trackback | Comments(0)  

トラックバックURL : http://koike473.exblog.jp/tb/10517026
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。

<< 0点に終わった一般質問 その2 明日は、私の一般質問です! >>